小岩駅から始める庚申塔めぐり ~ 25基の庚申塔に出会うコース

小岩エリアには、11か所、25基の庚申塔があります。
庚申塔以外にも、庚申講に関連する奉納物や庚申塔のような石造物まで、色々見られるのが特徴です。

コース説明

JR総武線 小岩駅を出発して、反時計回りに小岩エリアを歩いて庚申塔を見ていきます。
ゴールは、京成本線 京成小岩駅です。

コースの距離:★★★ (最短ルートを歩くと、前半が約6km、後半が約4km)
コースの起伏:★☆☆
所用時間(目安):4時間前後

前半:JR総武線 小岩駅から宝林寺まで (前半のゴール付近に、京成江戸川駅があります)
A) 小岩駅北口 ⇒ B) 上一色天祖神社 ⇒ C) 円蔵院 ⇒
D) 南小岩6-27付近 ⇒ E) 南小岩小学校 ⇒ F) 万福寺 ⇒
G) 笹ヶ崎の庚申塔 ⇒ H) 善養寺 ⇒ I) 宝林寺

後半:宝林寺から京成小岩駅まで
A) 宝林寺 ⇒ B) 十念寺 ⇒ C) 真光院 ⇒
D) 正真寺 ⇒ E) 三谷八幡神社 ⇒ F) 地蔵湯周辺散策( G 京成小岩駅)

西小岩の庚申塔  旧 上一色村

小岩駅 ⇒ 上一色天祖神社 800m(徒歩10分)

上一色天祖神社

上一色天祖神社
の庚申塔

江戸川区西小岩2丁目2−8
上一色天祖神社 裏参道

こちらの場所は、旧 上一色村でした。
新中川が出来たことにより、上一色村が分断され、村の鎮守であった天祖神社が、対岸に取り残されたような形になりました。
まるで小岩の仲間入りしたように見えますが、いまでも神社や自治会の名前などに上一色の名が残っています。

上一色天祖神社の裏参道のところに青面金剛像の庚申塔が1基あります。

南小岩の庚申塔  旧 下小岩村

上一色天祖神社 ⇒ 円蔵院 600m(徒歩8分)

円蔵院

円蔵院
の庚申塔

江戸川区南小岩6丁目16−28
円蔵院山門前

円蔵院がある場所は、下小岩村と呼ばれた集落です。
下小岩村は広く、戸数の多い村だったので、字ごとに庚申講があったようです。

円蔵院の山門前には、地蔵堂があり庚申塔2基と地蔵菩薩2体が鎮座しています。

円蔵院 ⇒ 南小岩6丁目27あたり  290m(徒歩4分)

南小岩6丁目
27あたりを散策

フラワーロードから一本裏に入った、このあたりに、庚申堂があったそうです。
現在は庚申堂はありませんが、そこにあった庚申塔の一部は東小岩にある善養寺に移設されました。

明治時代の地図を見ると、まだフラワーロードはなく、こちらの細い道がありました。
下小岩村の沖と呼ばれた集落の中を通る道ですが、旧道らしくジグザグしながら小岩駅の方まで繋がっています。

フラワーロードを抜けて南小岩小学校へ  1km(徒歩13分)

南小岩小学校角の庚申塔(正面)

南小岩小学校
南東角の庚申塔

江戸川区南小岩4丁目15−12
区立南小岩小学校 南東角

南小岩小学校に通学する子供たちを見守るように、横断歩道のところに庚申塔が建っています。

庚申塔がある場所は、庚申塔が造立された江戸時代の地名で言うと「下小岩村 中曽根」です。

この庚申塔が建っている前の道路は、都市計画により道路の拡幅工事が予定されています。
子供たちの安全が確保されるのは嬉しいことですが、この庚申塔は、どうなってしまうのでしょうか。

東小岩の庚申塔  旧 下小岩村、笹ヶ崎村

南小岩小学校 ⇒ 万福寺  650m(徒歩9分)

万福寺

万福寺
の庚申塔

江戸川区東小岩2丁目2−4

万福寺がある場所は、旧 下小岩村 入屋(入谷)といわれた場所です。
こちらの庚申塔は、江戸川区では数が多い青面金剛像タイプです。
変わっているのは、側面にある紀年銘の書き方。こんな表現の仕方があるんだと感心。

万福寺 ⇒ 笹ヶ崎の庚申塔河原道石造道標  600m(徒歩8分)

笹ヶ崎の庚申塔

笹ヶ崎の庚申塔
河原道石造道標

江戸川区東小岩1丁目31ー7

住所は東小岩ですが、この場所は、旧 笹ヶ崎村。新編武蔵風土記稿によれば、戸数46の村でした。

こちらで見られる庚申塔は、正徳5年の紀年銘がある青面金剛像ですが、左右の側面が道標になっています。
庚申塔の前を通る篠崎街道は、上流方向に進めば市川の渡しへ、下流方向に進めば河原の渡しへと繋がります。江戸時代から人やモノの往来が多かったのでしょう。

笹ヶ崎の庚申塔 ⇒ 善養寺  500m(徒歩6分)

善養寺

善養寺
の庚申塔

江戸川区東小岩2丁目24−2

「影向のマツ」や「小岩不動尊」でも有名な善養寺ですが、庚申塔でも見所が沢山あります。
年代ごとの特徴が分かる8基の庚申塔に加え、庚申信仰の方が奉納した「手水鉢」「庚申塔のような標石」、更に「庚申塔のような馬頭観世音」があります。

善養寺がある場所は、旧 下小岩村です。再び下小岩村に戻ってきました。

北小岩の庚申塔 旧伊予田村、小岩田村

善養寺 ⇒ 宝林寺  1.3km(17分)

宝林寺

宝林寺
の庚申塔

宝林寺がある場所は、旧 伊豫田村です。元禄10年(1697年)から伊豫田村となりました。それ以前は、伊豫新田と称していました。(前振りをしておきます)

宝林寺では、3基の庚申塔を見ることができます。
地蔵菩薩像・青面金剛像・文字塔と、江戸時代前期・中期・後期それぞれの特徴が分かる庚申塔です。

宝林寺 ⇒ 十念寺  750m(9分)

十念寺

十念寺
の庚申塔

江戸川区北小岩5丁目32

十念寺がある場所は、旧 中小岩村です。新編武蔵風土記稿には、村内に2か所の庚申塚があったと記録されています。新編武蔵風土記稿の中で、庚申塚の記述を見ることは粗ないので、珍しいことです。

4基の庚申塔がありますが、私の一押しは、猿田彦大神像の庚申塔。
猿田彦大神の姿を目にしたことが無い方が大多数だと思います。

十念寺 ⇒ 真光院  500m(6分)

真光院

真光院
の庚申塔

江戸川区北小岩4丁目41−6

真光院がある場所は、旧 小岩田村です。元禄10年(1697年)から小岩田村となりました。それ以前は、小岩新田と称していました。(気が付いて頂けただろうか、伊豫田村と同じパターンの登場です)
元禄10年に行われた検地をきっかけに、「新」の字を除いて村名にしました。

真光院で見られる庚申塔は、文字塔タイプと青面金剛像が描かれたものの2基。
どちらも簡素な感じが印象的です。

真光院 ⇒ 正真寺  400m(5分)

正真寺

正真寺
の庚申塔

江戸川区北小岩7丁目27−5

正真寺がある場所は、旧 小岩田村です。
こちらのお寺にあるのは、青面金剛像の庚申塔です。
道標にもなっているので「小岩田のばんどう道庚申塔石造道標」と呼ばれていますが、道標の部分は、青面金剛像の脇に小さな文字で...道標として役に立っていたのだろうか。

正真寺 ⇒ 三谷八幡神社  850m(11分)

三谷八幡神社

三谷八幡神社
の地蔵菩薩庚申塔

三谷八幡神社または小岩田八幡神社と呼ばれる神社の境内に、地蔵堂があり江戸川区最古の庚申塔があります。(「庚申」の文字は、後から入れられた可能性が高く、最古ではないとする説が有力です)

残念ながら、8帖ほどの地蔵堂(神社の方は社務所と言っていますが)の奥にあること、木箱に収められた小さな地蔵菩薩ということもあり、その姿は、ほとんど見えません。

こちらの場所は、旧 小岩田村 三谷です。

三谷八幡神社 ⇒ 京成小岩駅近辺  1.1km(14分)

京成小岩駅近辺で
お地蔵さん探し

江戸川区北小岩2丁目12

「北小岩2丁目12あたりにあるお地蔵さんが庚申塔」という噂の真偽を確かめるべく、京成小岩駅の南側にある「地蔵湯」周辺で、お地蔵さん探しをしました。

結論からいうと、お地蔵さんは見つけられませんでした。
周辺では、道路の拡幅工事が進められていることから、撤去または移設されたと思われます。残念!

ところで気が付いてもらえただろうか?

小岩エリアを歩き回りましたが、旧 上小岩村が登場していません。

上小岩村は小さな村でしたが、庚申講が無かったのでしょうか、それとも...