2022年9月、自宅マンションの水回り4か所(キッチン、洗面所、浴室、トイレ)をリフォーム、快適な環境を手に入れました。
リフォーム工事後、2週間。
契約している「Looopでんき」が提供する電気使用量グラフを確認し、驚愕の事実に気が付きます。
省エネを意識した設備機器を選んだので、消費電力が下がるはずが、5割増。
Looopでんきは、2022年12月から市場価格連動型(スマートタイムONE)に料金が変わります。
今でも電気代が増加しているのに、更に使用電力量が増えたら、大変です。
消費電力が5割増加した理由を調査、対策しました。
我が家の電気代(電力使用量)
今回調査した10月は、冷暖房機器が不要で、電力消費量が少ない季節です。
3月~6月も電力消費量が少なく、我が家では、春と秋、2.0kWh/日未満(最も少ない月で1.6kWh/日)になります。
リフォーム工事後の2週間は、2.4kWh/日が続いていました。
その差は、僅か0.8kWhですが、率にすれば5割増し。
リフォームに結構な金額を使ったので、電気代が5割増加ではなく、5割減になっていて欲しかった。
キッチンの消費電力を調査
キッチンで電気を使う機器は、レンジフードと照明器具の2つです。
レンジフード
24年前のレンジフードは、ブーツ型と呼ばれるもの。
リフォームの半年前に異音が酷くなり、使用不能となっていました。
今回導入したのは、スリム型。
レンジフードの清掃を楽したいということで、10年間ファン清掃不要を謳う高額品です。
新旧のレンジフードを比較して、消費電力増加の原因を探ります。
リフォーム前のレンジフード
富士工業 BLⅢ型
消費電力 強:101W(風量590㎥/h) 弱:45W(風量315㎥/h)
壊れる前は、「弱」を主に使っていました。
照明:ミニクリプトン電球(消費電力不明)
30W程度はあったと思うが、使っていなかった。
待機電力:不明
古い機器なので、待機電力のありそうだが。有無は、高周波フィルター回路次第
リフォーム後のレンジフード
富士工業 OGR-REC-AP902LSV
消費電力 強:67W(風量420㎥/h) 中:30W(風量300㎥/h) 弱:18W(風量210㎥/h)
「auto」を設定。レンジの使用状況をセンサーで判別、自動で弱から強まで変動。
コンロを使い始めると自動でレンジフードが動作。コンロを止めた後は3分間タイマーで動作。
取扱説明書によれば、オイルを弾き飛ばすのに3分間のタイマー稼働が必要らしい。
照明:LED 3.5W
「レンジフードと連動」を設定。
待機電力:あり 電力量は不明
コンロと連動するため、リモコン受信部が常時稼働し、待機電力が発生。
類似機能のパナソニック製レンジフードでは、0.5W~1Wの待機電力であった。
実際に使った結果、便利な機能・いらない機能を選別
コンロと連動してレンジフードが稼働するのは、想像以上に便利です。
風量の自動調整も、意外と賢い制御がされるので、手動で強弱を設定するより「auto」がおススメ。
LED照明の自動点灯も、自分の料理にスポットライトが当たるように感じて、気持ちが良いのですが、必要がない時も点灯するのが無駄。
設定を変更して、LED照明は手動でoff/onすることにしました。「レンジフードと連動」を解除。
レンジフードは、消費電力増の犯人ではありません、多分。
LED照明と待機電力の面で、消費電力が増えています。
コンロを止めた後も、レンジフードが3分間稼働するので、消費電力が増えます。
稼働中の消費電力はリフォーム前より確実に少ないのですが、他のDCモーター使用製品より消費電力は高め。
トータルで見れば、プラスマイナス・ゼロでしょうか。
シンク上の照明
今回のリフォームで交換したのは、シンク上の照明器具。
キッチンの天井照明は、リフォームの数か月前に壊れたこともあり、省エネが実現できるLED照明に交換済みです。
交換した天井照明は、明るく、恥ずかしいくらい。
それ故、シンク上の照明は、ある意味不要ですが、
それでも、シンク上に照明を付けたのは「ない」より「ある」方が使い勝手が良いと考えたから。
以前の照明は、20型18Wの蛍光灯。リフォーム後は、LEDダウンライト4.6W。
消費電力は、大きく減少していますが、元々、使っていなかった照明器具。
電力使用量の増減には無関係です。
ダウンライト、実際に使ってみたら、「明るさが足りなかった」
水栓の真上に設置したため、皿洗いをしているときにできる影が邪魔。
電球色を選んだためか、単独で使うには、暗くて使い物になりません。
蛍光色にしておけば、多少良かったのかも。
キッチンの照明はシロ。
前出の通り、照明として活躍していないため、消費電力増加の原因ではありません。
次の原因を探りに行きます。
洗面所の消費電力を調査
洗面所で電気を使うのは、照明だけです。
天井のLED照明は、リフォームで交換していないので調査対象外にします。
洗面台の照明をリフォーム前後で比較
24年前のサンウェーブの洗面台には、40型(38W)の蛍光灯が付いていました。
リフォーム後は、TOTOオクターブの洗面台になり、LED照明です。
ワイドLED照明は、8Wの消費電力。
省エネ実現率に直すと、79%減!
消費電力は大幅な減になりましたが、使用時間が短いため、目に見える効果として出てきません。
オクターブにはオプションで、自動水栓や、手をかざすと照明が点灯する機能があるのですが、不要と判断して付けていません。
洗面台の照明もシロ。なぜか残念。
洗面所は、消費電力が減る要素だけでした。
ただ、残念なことに使用時間が短く、効果が刈り取れません。
バスルームの消費電力を調査
日立化成のユニットバスから、TOTOのユニットバスに交換しました。
バスルームで電気を使うのは、照明とガス給湯器、ガス浴室暖房乾燥機の3つ。
バスルームの照明をリフォーム前後で比較
リフォーム前は、電球タイプの照明が2灯。LED型と蛍光灯型の電球で、消費電力は18W。
風呂場にしては、明る過ぎる感じでした。
リフォーム後は、LEDシーリングライトになり、消費電力は14Wです。
風呂場に適切な明るさになり、僅かですが、消費電力が減少。
使用時間が短いので、効果を実感できませんが、23%の省エネになっています。
ガス給湯器は、電気を結構使います
浴槽に湯張りをしたり、追い焚きをするのに使う、ガス給湯器。
熱源は都市ガスですが、センサーやポンプを稼働させるため、かなり電気を使います。
今回のリフォームでは、ガス給湯器は交換していませんが、浴槽がエコタイプになりました。
断熱性が向上したこと、今までの浴槽より2割ほど少ない湯量で良くなりました。
どれくらい電気代・ガス代・水道代が減るか分かりませんが、間違いなく省エネになっています。
ガス浴室暖房乾燥機の消費電力は
使っているのは、入浴後の換気と、悪天候時の衣類乾燥。
今年(2022年)の秋は、秋雨前線が活発なのか例年より浴室乾燥機の出番が多めです。
リフォーム前の浴室暖房乾燥機
ナショナル ABD-28KTSD
パナソニックではなく、ナショナルというところが年代を感じさせます。
24年間使った結果、性能が劣化。新築の頃より衣類乾燥に時間が掛かるようになりました。
消費電力: 乾燥時(88W)、換気時(25W)
待機電力: 不明(製品の特性上、待機電力は結構ありそう)
暖房加熱能力:3.3kW(2800kcal/h)
循環風量:5.5㎥/min
換気風量:1.5㎥/min
乾燥時はガス給湯器と連動。衣類3kgの乾燥に要する2時間半は、目に見えて電力消費が増加します。
リフォーム後の浴室暖房乾燥機
ノーリツ BDV-3306AUKNSC-J1-BL
本当は、消費電力が少ないDCモーター搭載機種が欲しかったのですが、世界的な半導体不足で、浴室暖房乾燥機も納期が大幅遅延。入手可能なもので妥協しました。
消費電力: 乾燥時(標準 57W / エコ 37W)、換気時(11W)
待機電力: 2W
暖房加熱能力:3.3kW(2800kcal/h)
乾燥時循環風量:標準 5.6㎥/min エコ 4.3㎥/min
乾燥時換気風量:標準 1.5㎥/min エコ 1.0㎥/min
カタログスペック的には、消費電力が減っていることが分かります。
洗濯物が乾くための条件は、湿度と温度。
温かく乾いた空気を、衣類にあてることで短時間で乾燥することができます。
暖房加熱能力・風量は、新旧同じスペックですが、新品の性能というだけで短時間になります。
まずは、標準時間である2時間のタイマー乾燥を試します。30分短縮しましたが、完全に乾きました。
それだけで、ガス代は20%減、電気代は48%減です。
十分省エネになるのですが、今回の目玉は、「エコ」運転モード。
スタート時は、送風+換気。最後は、温風+換気で仕上げるのですが、稼働時間は8時間が標準。
どれくらい省エネになるのでしょうか。
「エコ」運転の8時間から試していきます。8時間でも、6時間でも問題なく乾燥できました。
『運転時間が長いのが気に入りませんが、「エコ」運転の6時間で決まり』と思っていたら…
リンナイのホームページで、「衣類が少量の場合は、通常の乾燥モードをお使いください」と書かれているのを見つけます。ノーリツの取扱説明書には、どこにも記述のない情報…
ダメもとで、通常のタイマー乾燥を1時間に設定してみると、何と『ちゃんと乾いている!』。
省エネ率は、ガス代で60%減、電気代で74%減。
浴室暖房乾燥機は、今のところグレー
新しい機能をお試し中ということもあり、「エコ」運転が、電力消費量の増加理由だったか不明です。
危うく「エコ」という言葉に騙されてしまいそうでしたが、いろいろ調べて大正解。
現在の設定は、ガス代・電気代が大きく減少しているので、大満足です。
トイレの消費電力をチェック
使用電力量を押し上げている犯人はトイレにいるのでしょうか。
実は、思い当たることがあります。
トイレで電気を使うのは、照明、換気扇、温水便座の3つ。
照明器具は、交換していないので、犯人ではありません。
換気扇は交換しましたが、リフォーム前と同じ消費電力。
消費電力という部分において、24年間進化なしなのが残念。
DCモーターの選択肢にあれば、良かったのに…
温水便座(ウォシュレット)
TOTOの量販店向けモデルから、TOTOのapricotシリーズにしました。
実は、我が家の消費電力を押し上げていた犯人のひとりは、温水便座です。
温水便座(ウォシュレット)の新旧比較
リフォーム前:KMシリーズ TCF722C 7年前の製品
年間消費電力:90kWh (節電タイマー未使用時:116kWh)
便座ふた自動開閉
各種節電機能(おまかせ節電、スーパーおまかせ節電、タイマー節電)
リフォーム後:apricot F3A TCF4733
年間消費電力:91kWh (節電タイマー未使用時:118kWh)
便座ふた自動開閉
自動便器洗浄
各種節電機能(おまかせ節電、スーパーおまかせ節電、タイマー節電)
やわらかライト、プレミスト、においきれい、など便利・快適機能が多数
カタログスペック的には、いろいろな機能が付いていて年間消費電力がほぼ同じですが...
年間消費電力の測定は、これらの便利機能をoffにして計測しているのでしょう。
デフォルト設定のまま使用したことが、今回、電力使用量が増えた原因。
とっても快適なのですが、設定を見直していきます。
ウォシュレット節電のポイントは、便座の温度
最初に行ったのが、便座の温度設定値の変更。
設定値5(約36℃) → 設定値3(温度不明)
次に節電設定を、「なし」→「スーパーおまかせ節電」に変更
この設定変更だけで、0.3kWh/日の省エネになりました。
実は、リフォーム前の春から夏、便座暖房を「切」にしていました。
更に消費電力を下げるため、便座の温度設定を設定値1(約26℃)に変更。
更に消費電力は減ったのですが、ほかの対策も並行して行っていたので、何が一番効いたか…
リフォーム工事から1か月経過。現在の使用電力量
数日前から、1日の使用電力量が2.0kWh/日を切るようになりました。
普通の日で、1.6~1.7kWh/日。
電子レンジを10数分使った日が、2.0kWh/日。
省エネ性能を謳う設備機器を導入したのですが、結果は、いままでと変わらない状況です。
消費電力を増やさず、便利さや快適性を手に入れたと思うことにします。
消費電力量が増えた理由(まとめ)
消費電力が増えたのは、2つの理由がありました。
ひとつめは、温水便座を工場出荷時の設定のまま使ったこと。
ふたつめは、4週間の工事期間中にホテル暮らしをした結果、生活のリズムが狂ってしまったこと。
例えば、テレビをダラダラ見る、外出時や就寝時にwifi機器をoffにしなくなったとか色々。
電気代が市場価格連動型になるので、更なる省エネになるよう、今回導入した最新設備を活用していきたいと思います。
この続きは、「2023真冬の節電大作戦」で