温水式浴室暖房乾燥機。ガスなのに、どんだけ電気を使うんだ。内部清掃をしてみたが、それより…

我が家の浴室には、ガスを熱源にする温水式浴室暖房乾燥機が付いています。

温水式浴室暖房乾燥機
温水式浴室暖房乾燥機

浴室の乾燥機は、天気の悪い日に洗濯物を干すのに、とても便利、手放せない機器です。

熱源はガスなのですが、電気もかなり食います。
電気で乾かす乾燥機よりマシですが、ガスも電気も大量に使うのが許せません。

「何とかならんのか?」

ガスなのに電気を使う理由

まずは、温水式浴室暖房乾燥機の取扱説明書を調べます。

型名:ナショナル浴室換気乾燥機 ABD-28KTED
消費電力:乾燥時88W、換気時25W、予備暖房時42W

24年前の製品です。
24年間使い続けた結果、動作音が大きくなったり、性能が劣化したりと、古さは隠しきれなくなっています。

衣類の乾燥に、88Wも使うことが分かりますが、実際はもっと大きな消費電力になることが、電力会社が提供する電力使用量グラフから分かっています。

熱源はガスですが、この浴室暖房乾燥機の中で、ガスを燃焼させているのではありません。

実は、ガス給湯器で高温にした温水を熱源にしています。

つまり、ガス給湯器で消費される電気がプラスされます。

ガス給湯機で使われる消費電力は、推定160W。

合計250Wほどが、タイマーで指定された時間、消費されることになります。

少しでも光熱費を下げる方法

浴室暖房乾燥機を使わないのが、一番なのですが、そうもいきません。

少しでも光熱費を下げる方法は、使用時間を短くすること

先日、ブレーカー交換工事を行った後に気が付いたのですが、電源が切れるとタイマー設定が初期値に戻ります。

つまり、待機電力によって設定値を維持しているということです。

注目したのは、乾燥の初期値が、1時間半だったこと。

初期値というのは、メーカーおススメの設定です。

1時間半では衣類が乾かないので、現在2時間半に設定しています。

以前、衣類を乾燥させるのに3時間掛かるようになった時は、フィルター清掃で復活しました。

24年前、この乾燥機能を初めて使ったころは、2時間ほどで乾燥できていた気もします。

「何とか、初期性能を取り戻せないのか?」

フロントパネルを外して、清掃する

フィルターを外し、スリット越しに内部を見ると、ホコリと黒カビが見えます。

「汚い」

もしかして、内部清掃したら、風量が増えて、早く衣類が乾くんじゃないか。

フロントパネルを止めているのは、4つのネジ。

ネジを外すと、あっさりフロントパネルが取れました。

温水浴室暖房乾燥機の内部
温水浴室暖房乾燥機の内部

思わず、のけ反るような汚れ、天井から落ちてくる汚れもあって、風呂場は修羅場と化しました。

特にキレイにしたかったのが、熱交換ユニット。ホコリが表面に付着しているのが見えます。

熱交換ユニットの汚れ
熱交換ユニットの汚れ

残念ながら、清掃が出来るのは熱交換ユニットの裏側(風が出てくる方)。

汚れの付着が多い風が当たる側は、更に分解が必要です。
この浴室暖房乾燥機が、電気式なら更に分解しますが、温水式は失敗したときが怖い。
熱交換ユニットを取り出して、エアダスターでキレイにしたいが、分解清掃は諦めました。

熱交換ユニットの裏側だけ、掃除機でホコリを吸い取り、固く絞った雑巾で、表面の汚れを拭き取って終了。

汚くてスミマセン
汚くてスミマセン

フロントパネルの内側があまりにも汚いので、フロントパネルはまるごと水洗い。
一晩乾燥させた後、元に戻して、内部清掃終了。

浴室暖房乾燥機の内部

フロントパネルを外した時に、内部をじっくり観察しました。

中は、2つのシロッコファンと熱交換機があります。

小さなシロッコファンが換気用。ダクトに繋がり、屋外に湿った空気を出す役割です。

大きなシロッコファンが、熱交換器に風を送る役割。浴室内から吸った空気は、熱交換器を通過し、浴室内に吐き出されています。

衣類乾燥時は、換気用のシロッコファンと熱交換器に風を送るシロッコファンの2つが稼働します。

2つのシロッコファンが回転すること、センサー類が動作することから消費電力が多いことが分かりました。

乾いた空気は、どこからやってくる?

洗濯物を素早く乾かすには、乾いた空気が欠かせません。

浴室暖房乾燥機には、エアコンのような除湿機能はありません。あるのは、換気扇だけ。

我が家の場合は、浴室ドアについたスリットを通して、隣室の洗面所、更にキッチンと水回りの場所から空気が流れ込んできます。

そもそも、浴室暖房乾燥機を使うのは雨の日。乾いた空気は、どこに?

精々できるのは、
・浴槽に水がある状態で、浴室暖房乾燥機を使わない
・浴槽に水がなくても、風呂の蓋をして、空間を狭くする
くらいです。

内部清掃の効果は?

清掃後も、轟音を立てるところは変わらず

熱交換ユニットをキレイにできてないからか、乾燥時間短縮にはならず、残念。

24年間使った浴室暖房乾燥機では、劇的な変化は無理。というか、既に買い替え時。

ここで、温水式浴室暖房乾燥機の最新機種の状況を調べます。

必要な消費電力量は、24年前の機種の70%程度と少なくなっています。

洗濯物2kgの乾燥時間は40分から1時間。4kgの場合で1時間から1時間20分でした。

私の中では、浴室のリフォームをするのが一番と結論が出始めました。

温かくて乾燥した空気を強く洗濯物にあてること

浴室乾燥機で衣類を乾燥させる時に重要な要素が2つあります。

その1つ目が、先程の浴室暖房乾燥機の内部清掃にも関係しますが、「温かくて乾燥した空気を強く洗濯物にあてること」

浴室内に干す洗濯物の量、干し方が関係してきます。

洗濯物が多ければ、端の洗濯物に風があたらなかったり、洗濯物と洗濯物の間が狭く風の通りが悪くなることで、乾き難くなります。

干し方に関しては、
・厚手の衣類は、吹出口の下へ。 ← 外干しは風が横から、浴室乾燥機は上から風。
・ズボンは裏返して筒状にして干す。

はっきり言いますが、温風でなくても、洗濯物に風をあてれば、時間は掛かりますが乾きます。
風は、洗濯物の下から当てるのが正解なのですが、浴室の天井に設置された乾燥機では無理な話。

我が家の浴室乾燥機には機能はありませんが、「涼風運転」が出来るものがあります。
「涼風運転」である程度乾かした後、「乾燥運転」で仕上げるというように、上手に組み合わせることがエコには大切です。

洗濯物の脱水度合いが重要

最新機種の温水式浴室暖房乾燥機を調べていた時に、「脱水度」という聞き慣れない単位を目にします。(絞り度という呼び方もありますが、洗濯物の乾燥重量÷脱水後の洗濯物の重量×100で算出)

温水式浴室暖房乾燥機の衣類乾燥時間は、脱水度68%とか70%が基準で実測された時間。

脱水度68%〜70%は、洗濯機の脱水時間が5分です。

先日、我が家の洗濯機の脱水時間を、6分から3分に変更することで、節電をしました。

外干しでは、全く問題なかったのですが、浴室での乾燥で問題が生じました

今まで2時間半の乾燥時間で大丈夫だったのに、3時間経っても衣類乾燥が終わりません。

最後まで乾かなかったのは、綿のスポーツ靴下、綿の厚手フェイスタオル、綿のシャツ(袖口)。

綿製品ばかり乾かないのには訳があります。

脱水時の脱水度は繊維により異なります。綿は脱水度が低い方。5分の脱水で60%前後。

では、脱水時間3分と5分で、どれくらい脱水度が違うか。
ネットで見つけたグラフから読み取ると3%ほど。
脱水時間5分と10分の時の差も3%ほどです。
脱水度がたった数%違うだけで、乾燥時間が、こんなに変わるのか

そこで、思いつきます。

洗濯機の脱水時間を最大の9分にしたら、衣類乾燥時間が短くなるんじゃないか?

脱水時間を9分にしてみた。衣類乾燥時間はどうなる?

脱水時間を長くする実験をした日は、雨。
室内の温湿度計は、気温16℃、湿度60%を指していました。

テストした洗濯物の乾燥重量:2.1kg
脱水時間を9分にして洗濯した直後の重量:3.1kg

脱水率67.7%。

脱水率が思っていたより低いことに驚きます。
脱水時間が3分の時は、脱水率は62.9%でした。それよりは、脱水できてますが...

洗濯物に触った感じは、脱水時間6分の時と変わらず。
やる前から、結果が見えてる気がしてきました...

洗濯物の干し方にも、細心の注意をして、乾燥時間を2時間にセット。
脱水時間6分の時、2時間半の乾燥時間だったので、30分の時短が目標です。

結果は、残念〜

乾きにくいタオルやスポーツ靴下は、2時間の乾燥時間で乾きました。

コットンのシャツやパジャマの上着の袖口が乾きません。

正確に言うと、
乾燥機の吹出口に近い方の袖口はOK。
吹出口から遠い壁側の袖口が乾き切れていない。

乾燥の途中で、シャツの向きを変えれば、2時間でも乾燥できそうな気がします。

他に良い手はないのであろうか。

追記(脱水時間ごとの脱水率)

気になったので、脱水時間6分、9分の脱水率を複数回測定してみました。

結論、6分も9分も変わらない。9分は、電気代と時間の無駄。

どちらも、68%〜71%の範囲に収まります。
実験室のような質の高いテストはできませんが、
洗濯物の重さを、体重計で計測する精度(0.1kg単位)では、差がでません。

まだ、手があった。脱水率が上がるかも

日立ビートウォッシュの取扱説明書を読み直します。
もはや、取扱説明書が愛読書状態です。

追加で試したいのが、
「部屋干しコース」と「高速脱水」

「部屋干しコース」は、標準コースでの洗濯の後に、エアジェットコースを追加する方式。
通常のエアジェットコースと違うのは、洗濯物の重量。エアジェットコースは濡れた状態で2kgまでですが、部屋干しコースは通常の洗濯と同じ乾燥重量7Kg。
エアジェットと言うより、脱水時間を30〜60分追加できるイメージに近いかも。

「高速脱水」は、脱水時の回転数を800回転/分から 1000回転/分に上げる設定。
使った人によると、音がうるさいらしい。

高速脱水で6分

洗濯機の設定変更をして、高速脱水にしました。

乾燥重量3kgの洗濯物でテストを実施。

脱水が終わった後、重量を測ると、4.5kg。
脱水率、66.7%。
全然、良くなっていません。

電気代の無駄でした。がっかり。

干し方を変えてみました

これまでと条件が違うことがあります。それは洗濯物の量。
これまでは乾燥重量で2kg、今回は3kgと乾燥の条件が厳しくなっています。

風呂の浴槽に蓋をして、空間を狭くします。
浴室は乾燥した状態になってます。

タイマーを2時間にセットし、1時間経過したところで浴室へ。

洗濯物の向きを変えておきます。
タオルは、上下を逆転。上着は左右を反転させます。

結果

惜しくも、残念。

タオルは、厚手のものも含め乾きました。

スポーツ靴下は、6足中、4足が乾ききらず。(位置を変えれば良かった)

上着(綿のシャツ)は、脇の下、袖口ともに乾ききらず。前回のような左右差は無し。

ズボンは、股の部分が乾かず。

洗濯物の量を増やしたのが悪影響して、乾かない範囲が広がってしまいました。