東一之江村と西一之江村の神社巡りをしてきた(江戸川区)

江戸川区の東一之江村と西一之江村にあった神社を巡る歩き旅のコースです。
現地までバスを利用すれば、2万歩以内です。チャレンジしてみては如何でしょうか。

大杉天祖神社

所在地:江戸川区大杉1-22-1

大杉中央通り沿いにあるのが「大杉天祖神社」です。
大杉公園と大杉神明幼稚園を隣接する境内は、とても広く感じます。

大杉天祖神社 鳥居
大杉天祖神社 鳥居

西一之江村の鎮守でした。通称は「大杉神社」。創建は不詳。

境内のどこかに将軍鷹狩休息の腰掛石があるらしいですが、気が付きませんでした。
江戸川区史によれば、境内の東方に腰掛山という小高い場所があるそうだ。

天祖神社」と書かれた石柱が、なぜか自動販売機の後ろに隠すようにあります。

大杉天祖神社 社殿
大杉天祖神社 鳥居

社殿の直ぐ左横は幼稚園の園庭です。参拝した時は、子供たちの声は聞こえませんでしたが、普段はきっと賑やかなんだろうな。

江戸川区の資料によれば、区内には神社が59あるそうです。その内、天祖神社など天照大神を祀る神社が20と最も多いのだそうです。

西一之江村は、どんな村?
一之江という名前の由来は、境川の両岸に出来た集落で、入江があったことから付いたと言われている。集落ができた当時は、漁業が盛んだったらしい。
新編武蔵風土記稿によれば、村は民戸が208と大きな村であった。

一之江天祖神社

所在地:江戸川区一之江1丁目9-5

googleマップ上では「一之江天祖神社」と表示されます。
ある方のブログによれば「向い天祖神社」、江戸川区の資料では通称「向い神明」という表現もされていますが、正しい神社の呼び名が分からないので併記しておきます。

一之江天祖神社 鳥居
一之江天祖神社 鳥居

東一之江村の鎮守。創建年は不明。300年前に勧進といわれている。

京葉道路側からは入ることができません。物流会社の横の道から回り込みましょう。

一之江天祖神社 社殿
一之江天祖神社 社殿

小さな社殿ですが、真っ赤な屋根と白い石の狛犬のコントラストが印象的な神社です。
「今昔マップon the web」で昔の地図と比べると、京葉道路の建設で移転している可能性がありそうです。以前の地図だと京葉道路に掛かるくらいのところにありました。

セミの抜け殻
セミの抜け殻

境内の木という木はもちろん、コンクリート製の鳥居まで、セミの抜け殻だらけです。
京葉道路に面していますが、車の騒音よりもセミの鳴き声の方が何倍も大きい。

東一之江村は、どんな村?
新編武蔵風土記稿によれば、民戸188の大きな村であった。西一之江村とは境川で東西に分かれていた。境川には板橋が掛かっていたとある。
近年になり、環状7号線、京葉道路や首都高速7号線の開通、新中川の開削などで大きく町の姿が変わったのが一之江である。

日枝神社(一之江)

所在地:江戸川区一之江1丁目7

一之江天祖神社の直ぐ近くにあるのが、「日枝神社」です。

日枝神社 鳥居
日枝神社 鳥居

参道の入り口に「お賽銭の管理が出来ていないのでお気持ちだけ頂きます」と書かれていました。非常に小さな神社です。参道の脇にアパートがあるので、洗濯物が写らないようにカメラの向きに注意して撮影しました。

日枝神社 社殿
日枝神社 社殿

参道を入っていくと、小さな祠がポツリ。

今昔マップon the webでは、明治の頃の地図では、この神社の存在が確認できません。
現在地ではない場所にあったようです。
1944-1954年の地図で、江戸川区一之江1-6あたり(一之江天祖神社に向かう参道)に神社のマークが確認できるので、そこから移転したかも。

江戸川区史(昭和51年・1976年発行)によれば、江戸川区一之江には2つの「日枝神社」があったという。書かれた住所「一之江2-7」「一之江1-2-1」には、「日枝神社」は存在していない。
私の中では謎だったが、昭和58年の住居表示変更がヒントになり解決。
書かれた住所「一之江2-7」は「一之江1-6」に変更になっていた。

一之江天祖神社の末社。小さなやぶの中の小社だった。祠の中には額にはめ込んだ1枚の石碑が祀られている。土地のものは山王社という。
理由は不明だが、環七や新中川が開通したころに現在地に移転したと思われる。

日枝金山神社

所在地:江戸川区西一之江2丁目23

首都高速7号小松川線の横にあるのが「日枝金山神社」です。

日枝金山神社
日枝金山神社

詳細は不明ですが、隣に自治会の会館「江上会館」があります。

地域の小さな神社って感じでしょうか。

江戸川区史の読むと、西一之江村の項目で「江上(入り江の奥)」とか「金山(人工的な高所をさしているらしい)」という字名を確認できます。

新編武蔵風土起稿には、西一之江村のところに「金山権現社」という神社があったと記載されているが、この神社が該当するかは定かではない。

一之江水神社

所在地:江戸川区一之江5丁目13-14

一之江抹香亭の隣にあるのが「一之江水神社」です。
この水神宮の前を流れていたのは、境川という川です。現在は公園「一之江境川親水公園」として、親水緑道が全長3.2kmに渡り整備されています。

一之江水神社
一之江水神社

後で気が付きました。若しかしたら、親水緑道のあたりに由緒書きがあったかもしれません。
鳥居と小さな祠があるだけの小さな神社です。

江戸川区史には、「一之江2丁目36」に水神宮、「一之江2丁目37」に天満宮があるという。ここで気が付いた。住居表示が1976年当時と現在で違うことに。
早速江戸川区のホームページで調べると昭和58年に、「一之江2丁目36」は「一之江5丁目13」になっていた。これで解決。

天明6年の洪水で人馬の被害が多かったので天明8年(1788年)に村人が水神を祀ったもの。

一之江天満宮

所在地:江戸川区一之江5丁目12

親水緑道側からは入れないので、並行する道から行くのが「一之江天満宮」です。

一之江天満宮
一之江天満宮

境内には「天満宮」と「道祖神」の2つが祀られています。
隣接するのは、児童公園「一之江天神児童遊園」と自治会の会館「一之江上親交会会館」。

参拝を終えて帰るときに、80代後半と思われるお年寄りの方が参拝に来られてました。
私のようなものにまで「暑いですね~」って声をかけて頂きました。

創建は不明も、鎌倉時代には天満宮を祀る天満社として鎮座していたという。
境内には大銀杏の老木がある。
道祖神の方は、この場所ではなく一之江2-5にあったというが、環七の開通でここに移転したという。

天満宮の方の写真を見るとわかる通り、参道が狭いですが手すりが付いています

馬場八幡宮

所在地:江戸川区一之江5丁目8

一之江境川親水公園の親水緑道を進んでいくとあるのが、「馬場八幡宮」です。

明治の地図では、字名の「馬場」に「ばんば」とふりがなが振ってあった。

馬場八幡宮 鳥居
馬場八幡宮 鳥居

参拝する前に、先客がありました。自転車でぱっと来て、ささっとお参りして、どこかに行かれました。地元の方の信仰を集めている神社です。

馬場八幡宮 社殿
馬場八幡宮 社殿

江戸川区史での住所は「一之江3-23」ですが、移転したわけではなく昭和58年の住居表示変更のせいです。

由緒書きには
創建は明らかではないが、江戸時代の後半には「一之江境川」のほとりに「八幡さま」として祀られていた。
現在の社殿は、昭和49年に地元の方によって再建されたとある。

馬場八幡宮 由緒書き
馬場八幡宮 由緒書き

親水緑道の石のところに由緒書きのプレートがあります。

西一之江香取神社

所在地:江戸川区西一之江3丁目35

今井街道にぶつかったら、いったん親水緑道から離れ、2つの神社を巡るため、今井街道を西に進みます。ひとつめは、右の路地に入ったところにある「西一之江香取神社

西一之江香取神社 鳥居
西一之江香取神社 鳥居

境内に由緒書きがあります。

御祭神は、「白髭大神」「香取大神」「春日大神」の3つ。
鎌倉時代の創建というが、詳細は分からない。
土地の旧家である藤ヶ谷家が創建。

社殿は万治2年(1659年)に再建、昭和43年に改修した。

西一之江香取神社 社殿
西一之江香取神社 社殿

参拝時は、お昼時だったこともあり、近所のちびっこのお母さんたちが大集合。昼ご飯タイムでした。

松江白山神社

所在地:江戸川区松江4丁目15ー19

更に今井街道を西に進み左の路地に入ったところに2つ目の、「松江白山神社」があります。

江戸川区史によれば、元々は「白山権現」と言ってました。戦国時代の頃、西一之江村の旧家矢作氏が加賀の白山神社の分霊を祀ったのが始まりと言われています。
明治4年に社殿を再建し、「白山神社」と改称した。
現在の建物は、昭和36年に再建されたもの。

私は道に迷って、神社の裏から入りました。

石仏

所在地:江戸川区松江4丁目15

松江白山神社を出たところに石仏があります。

石仏に詳しくないので、お地蔵さんなのか道祖神なのか、さっぱり分かりません。
(2021年4月追記) 訪問から一年、石仏にも詳しくなりました

城東電車の跡

所在地:江戸川区松江7丁目28-14

再び親水緑道に戻ります。親水緑道を南下すると「城東電車の跡」という史跡があります。

城東電車の跡
城東電車の跡

こんなところを電車が走っていたなんて想像もできません。
いわゆるチンチン電車ってやつらしいですが、今でも走っていたら街の風景もだいぶ違っていただろうと妄想してみます。

志茂の水神宮

所在地:江戸川区松江7丁目29-16

親水緑道の途中にあるのが、「志茂の水神宮

志茂の水神宮
志茂の水神宮

人々は舟運の安全や用水の安定を祈願しました。
志茂(しも)の水神宮は、大場家に祀る屋敷神です。江戸時代に本家にょり分霊したと言われています。

志茂の水神宮の由緒書き
志茂の水神宮の由緒書き

親水緑道の灯篭のところに志茂の水神宮の由緒書きがあります。

一之江白髭神社

所在地:江戸川区一之江7丁目19-20

一旦、今井街道に戻って、一之江白髭神社を目ざします。
ここは地図が無いとたどり着けない感じです。

一之江白髭神社 鳥居
一之江白髭神社 鳥居

由緒書きがないので、江戸川区史を参考にします。
東一之江村の名主宇田川源蔵が勧進したと言われている。創建年は不明。

一之江の路地裏を歩いていると、お城かってぐらいの大邸宅に出くわします。
きっと、こういうお宅が名主屋敷ってやつなんだろうな。目の保養になるで嫌いじゃないです。でも庶民なので、維持費が高そうだなとか余計なことばかり考えてしまいますね。

一之江白髭神社 社殿
一之江白髭神社 社殿

植えてある木がきれいに剪定されていて、何か不思議。

一之江狐神社 (行ってはいけないスポット)

所在地:私有地のため記載しません

googleマップ上に表示されますが、どうやっても、たどり着けません。

一之江狐神社
一之江狐神社

アパートの敷地内にある稲荷社です。どうして、こんなことになったのかは不明です。

私有地をスポットに登録してはいけませんね。
神社とか史跡とか検索条件を付けてgoogleマップを利用した時に、変なスポットが表示されるのことがあるので、googleマップが信用できなくなってきました。

この神社の名前も、正しいかすら分からない。

河岸の水神宮

所在地:江戸川区一之江6丁目17

親水緑道の横にあるのが「河岸の水神社」です。

近所のコンビニで弁当を買い方が多くいます。
買った弁当は、適度な日影がある親水緑道で食べる方が多く、写真撮りでその方が写らないよう苦労しました。

河岸の水神宮
河岸の水神宮

一之江境川あたりの東岸を河岸(川岸)と呼んできたそうです。
この写真を撮っているあたりは、近年まで水路があり、船のたまり場になっていました。

河岸の水神社 由来
河岸の水神社 由来

水神宮からは、少し離れた親水公園内に由緒書きの看板がありました。

川岸稲荷神社

所在地:江戸川区一之江6丁目12-22

水神宮からは一旦、一之江通りに出てから「河岸稲荷神社」に向かいます。

川岸稲荷神社 鳥居
川岸稲荷神社 鳥居

細い参道に赤い鳥居が5つ。
鳥居の高さが低いので、自然に前かがみになります。

東一之江村稲荷社として古くから鎮座していると言われています。

川岸」は、先ほどの水天宮のところでもあったように、この場所の字名です。

川岸稲荷神社 社殿
川岸稲荷神社 社殿

鳥居の前の狛犬がコンパクト(小型犬)でかわいいと思った。

森下稲荷神社

所在地:江戸川区一之江3丁目12-19

森下稲荷神社
森下稲荷神社

鳥居と祠だけの小さな神社です。

江戸時代や明治の頃は、ここは瑞穂村上今井だったかも。付近を流れる農業用水の仲井堀が村境だったようだ。
田んぼの真ん中なので、その頃から、ここにあった訳ではないと思います。

江戸時代の字名を江戸川区史から探してみると、東一之江村に「森下」という字があったことが判明。

詳細不明の神社です。

興玉一心神社

所在地:江戸川区一之江3丁目21-10

仲井堀通りを北上したところにあるのが、「興玉一心神社(おきたま いっしん じんじゃ)」です。

興玉一心神社には、公式ホームページがあります。

興玉一心神社 鳥居
興玉一心神社 鳥居

宮司さんの自宅と神社が一体化した近代の建物です。
神社と気付かず通り過ぎてしまいました。
私の中の神社の固定概念が完全に壊れました。浅草橋のビルの2Fにあった神社くらいのビックリ加減です。

興玉一心神社 社殿
興玉一心神社 社殿

平成22年に江戸川3丁目から移転。
令和元年に「興玉一心神社」に改称。それ以前は「今井のおんたけさん」として鎮座していたそうです。

こちらの神社は、東京都への宗教法人の届け出では、「神道系・単立」団体となっており、神社本庁に属さない神社になります。

大六天宮

所在地:江戸川区一之江3丁目27

興玉一心神社の斜め前にあるのが、「大六天宮」です。

仲井堀通り沿いにあります。
明治の地図から、昔から同じ場所にあったことは分かりますが、神社マークだったり、お寺のマークだったりと分類が怪しげな感じです。

大六天社 社殿
大六天社 社殿

過去に訪問したことがある神社なので、ささっと参拝させていただきました。

御神木の榎(えのき) 樹齢500年以上というので境内を探してみましたが、それらしい木を見つけられませんでした。若しかして、社殿左の竹の柵で囲ってあるところですか?

大六天社 絵馬
大六天社 絵馬

絵馬が掛かっていますが、社務所はありません。どこで手に入れるのでしょうか。

過去に大六天社を訪問した時のレポートは、こちら

まとめ

今日巡った神社の中で、お気に入りは「一之江天満宮」です。
地域の守り神として、細く長く大事にされてきている感じが好きです。
それが、イチョウの古木だったり、参拝しているお婆さんだったりに現れた神社でした。

江戸川区の神社巡りも、いよいよ後半。行っていない天祖神社は後ふたつ、みっつになりました。次はバス移動を組み合わせて、一気に巡ってみたいと思います。