白山神社前にある観音堂の庚申塔

白山神社前にある観音堂の所在地:東京都江戸川区松江4丁目15−19

江戸川区松江にある「松江白山神社」の前に観音堂があります。
観音堂には、2体の石造物が鎮座しています。
今回は、この観音堂にある庚申塔に注目して観ていきます。

松江白山神社
松江白山神社

白山神社は、旧西一之江村の旧家矢作氏が、戦国時代の頃、加賀の白山神社の分霊を祀ったのが始まりといわれます。(江戸川区史より引用)
新編武蔵風土記稿では「白山社」は圓福寺持ちとある。

白山神社前の観音堂
白山神社前の観音堂

白山神社前の観音堂には、観音様と青面金剛が鎮座しています。
ふたりの間にコンクリート製の仕切りがあるところが、意味深。
観音様は、その作りから近年の石造物に思えます。

庚申塔を拝見します

六臂の青面金剛が、左手にショケラ、右手に宝剣を持って立っています。
第2手、第3手は、一般的な持ち物である、法輪、三叉戟、弓と矢になっていました。

白山神社前の庚申塔
白山神社前の庚申塔

青面金剛に踏みつけられた邪鬼は、ぐったりと横たわり、その下に三猿が描かれています。

紀年銘は、右側面に入っています。
肉眼では壁があって見れないので、スマートフォンを差し入れて撮影していきます。
「文化五戊辰歳七月吉日」
部分的に読み取り難い文字もありますが、判別できました。

文化5年(1808年)の庚申塔です。

庚申塔の台座「原構中」
庚申塔の台座「原構中」

台座部分に「原構中」と刻まれています。
古い地図で確認すると、この場所は、西一之江村字原という集落でした。新編武蔵風土記稿では「原前」という字名で記録されています。
新編武蔵風土記稿によれば、西一之江村は民戸が208の大きな村でした。東西は6町ですが、南北は21町と広範囲。字単位に庚申講が行われているのも、そういった事情でしょう。

白山神社前にある観音堂へのアクセス

都営新宿線 一之江駅から徒歩19分 (1.5km)
都営新宿線 一之江駅からバス(新小22、新小29、亀26系統)。西一之江四丁目バス停下車、徒歩2分