鹿骨にある圓勝院の庚申塔

圓勝院の所在地:東京都江戸川区鹿骨1丁目25−23

鹿骨1丁目にある圓勝院(円勝院)には、2基の庚申塔があります。

圓勝院は真言宗豊山派のお寺さんです。
江戸川区は、真言宗豊山派のお寺さんが強い地域です。隣の市川市が日蓮宗の強い地域なので、2つの地域を対比しながら、庚申塔巡りをすると面白さが倍増します。

圓勝院
圓勝院

圓勝院は、金霊山 圓勝院 神明寺と号します。創建年の記録が残っていませんが、室町時代の後期より前とされています。
元々は鹿骨にある鹿島神社の南東にありましたが、元禄2年(1689年)に火災により焼失、その後、現在の地に遷座したといいます。

明治7年に近隣の観音寺、浄性院、薬王寺を合併したそうです。また、神仏分離前は、鹿島神社の別当を務めていました。

庚申塔がある場所

山門を入って直ぐ左に、庚申塔2基が並んでいます。
屋根がある場所で、お花も飾られているので、大切にされていることが分かります。

円勝院 庚申堂
円勝院 庚申堂

庚申堂の中の庚申塔を左側から順に拝見していきます。

庚申塔(その1)

六臂の青面金剛が合掌し、かなり大きな邪鬼を踏みつけています。
邪鬼の下には鶏が2羽、その下に三猿という図柄です。

円勝院(圓勝院)の庚申塔
円勝院(圓勝院)の庚申塔

台座部分に文字が入っています。
「奉造立青面金剛像」「講中」「金霊山 十五世法印照慶」
直接的に年代が分かる銘は無いものの、「金霊山 十五世法印照慶」で調べれば、おおよその年代は分かりそうです。

庚申塔(その2)

六臂の青面金剛が合掌し、邪鬼を踏みつけています。邪鬼の下には三猿が描かれていました。

円勝院(圓勝院)の庚申塔
円勝院(圓勝院)の庚申塔

右側面に文字が確認できます。
「奉造立爲庚申講二世安樂 結衆 合掌 観音寺」「亨保七壬寅天」「九月吉日」

明治7年に合併した観音寺からやってきた庚申塔です。
亨保7年(1722年)の紀年銘が確認できました。

新編武蔵風土記稿には、観音寺は天台宗のお寺さんだと記録されています。
違う宗派のお寺さんまで合併してしまうところが、興味深い。

圓勝院へのアクセス

JR総武線 小岩駅からバス(小76系統)。鹿骨区民館バス停下車、徒歩2分。