家族の協力がなくてもできる電気代の削減方法 〜 電力会社の変更だけじゃない

遠く離れて暮らす大学生の息子。
一人暮らしでやりたい放題ということもあり、電気代が半端ないレベル。

年間の電気代が10万円って、どうなんでしょう。
親がお金を出しているから、本人は「金食い虫」の実感もないのでしょう。

電気代も値上がりしてきているご時世、何とかしなければ、と立ち上がりました。

家族の協力がなくても出来る電気代の節約

家族の協力も不要、誰にも気付かれることなくできる電気代の削減方法が、ひとつだけあります。

それは、「電力会社の変更」。

スマートメーターの付いた住居であれば、賃貸住宅でも自由に「電力会社の変更」ができます。

私自身、自宅の電力会社を2回変更した経験があり、簡単な手続きで効果が得られることを体験済み。

今回は、名義人が「遠く離れた子供」の電気契約を、電気代を支払っている私が、電力会社を変更する手続きをします。

エネチェンジを使って、電気代が安くなる電力会社を探す

最初にやることは、現契約の内容を知ることです。

現契約は、大阪ガスの「電気とガスがセットになったプラン(ベースAG)」です。
居住場所は、関西電力のサービスエリアになります。

電気代を親が支払っていたこともあり、毎月々の、電力使用量の把握はできています。
エネチェンジでのシミュレーションの精度を上げるため、電力使用量は2年分を手元に用意し、特殊要因での異常値を排除しておきます。

エネチェンジのサイトで、この電力使用量のデータを使って、電気代の比較(シミュレーション)を行います。

現行の電力会社に、大阪ガスの「電気とガスがセットになったベースAG」を指定。
詳細設定が出来る画面で、12ヶ月分の電力使用量を打ち込みます。

重要なポイントが、ひとつ
エネチェンジの電力会社比較では、最新の燃料費調整額と再エネ賦課金を使ったシミュレーションになっていると記載があります。

関西電力など一部のエリアでは、従量電灯A,B,Cなどで、他とは違う金額が設定された燃料費調整額が存在します。
この違いが、正しく反映されたシミュレーション結果であれば、文句はないのですが...

選ぶべき電力会社の基準は

まずは、エネチェンジの電力会社比較の結果を見ていきます。

キャンペーンで、キャッシュバックだとか、金券の配布とかがあり、素の電気代で比較しにくいのですが、電気代が安い順に上位3社ほどを候補に残します。

次に料金の明細や契約条件などを確認していきます。
解約時に違約金が発生するものや、複雑な料金体系で分かりにくいものは排除します。
特に、時間帯や曜日で料金が変わるタイプは、結果の予想が難しいので私は避けるようにしています。

こうして残ったのは、「エルピオでんき」と「looopでんき」の2社。

どちらも、自宅で使ったことがある(エルピオでんき)・使っている電力会社(looopでんき)ですが、東京電力管内とは、異なる料金体系になっていました。

2022年2月26日に行った電力会社比較の結果では、大阪ガスの電気を「エルピオでんき」に変更すると、年間4,358円お得と出ました。

更に「エルピオでんき」は、期間限定のキャンペーンがあり、初年度に5千円のキャッシュバックもあります。

エルピオでんき」の「使った分だけSプラン」に決まりだ。
と思ったのですが、ここで「嫌な予感」を感じます。

念の為、電卓を使って、12ヶ月分手計算してみます。
最初の表は、燃料費調整額及び再エネ賦課金を含まない場合です。

使用電力量大阪ガスエルピオ差額
4月413kWh9,897円9,168円▲729円
5月322kWh7,447円7,148円▲299円
6月223kWh4,982円4,950円▲32円
7月138kWh2,865円3,063円198円
8月213kWh4,733円4,728円▲5円
9月261kWh5,928円5,794円▲134円
10月241kWh5,430円5,350円▲80円
11月207kWh4,583円4,595円12円
12月273kWh6,227円6,060円▲167円
1月381kWh9,007円8,458円▲549円
2月477kWh11,678円10,589円▲1,089円
3月547kWh13,627円12,143円▲1,484円
電気代比較(燃料費調整額、再エネ賦課金を除く)

過去1年間の実績から算出した節約額は、4,358円とエネチェンジで算出された節約額と同じになりました。

次は、2022年3月適用の燃料費調整額、再エネ賦課金を使って再計算してみます。

まさか、燃料費調整額で...

2022年、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した、エネルギー価格の高騰。

電気代も、燃料費調整額が大幅に上がっています。

一部の電力会社を除き、燃料費調整額は旧電力会社と同じというのが、私の中で常識でした。
それ故、燃料費調整額を電力会社で比較したことも、調べたこともありません。

今回、調べてみると、何と「大阪ガスの電気」の燃料費調整額が他社より安いことが判明。

燃料費調整額(2022年3月適用分)
大阪ガスの電気 … 2.24円/kWh
エルピオでんき 他多数 … 2.72円/kWh

2022年3月適用の燃料費調整額で、0.48円/kWhの単価差があります。

実は、大阪ガスの「ベースAG」の燃料費調整額は、関西電力の従量電灯Aと同額

2021年度(2021年5月〜2022年4月)再エネ賦課金
3.36円/kWh (電力会社による差なし)

これらを考慮に入れて算出したのが、下表。

使用電力量大阪ガスエルピオ差額
4月413kWh12,209円11,679円▲530円
5月322kWh9,250円9,105円▲145円
6月223kWh6,230円6,305円75円
7月138kWh3,637円3,902円265円
8月213kWh5,925円6,023円98円
9月261kWh7,389円7,380円▲9円
10月241kWh6,779円6,815円36円
11月207kWh5,742円5,853円111円
12月273kWh7,755円7,719円▲36円
1月381kWh11,140円10,774円▲366円
2月477kWh14,349円13,489円▲860円
3月547kWh16,690円15,468円▲1,222円
電気代比較(燃料費調整額、再エネ賦課金込みで試算)

さあ、困りました。
年間4,400円ほどの節約になると喜んでたのですが、2,500円ほどになりそうです。
更なるエネルギー価格の高騰があれば、あっという間に、前の方が安かったとなりかねません。

散々、悩みましたが、初年度に5千円のキャッシュバックがあるので、何とかなる気がして「エルピオでんき」に申し込む決断をしました。

駄目なら、大阪ガスの電気に戻せば良いだけ。
違約金も契約期間の縛りもないので、気楽なものです。

「エルピオでんき」に切り替え申請

エネチェンジのサイトから切り替え申請をしていきます。

エネチェンジの良いところは、新電力会社から新電力会社への切り替え申請が出来ること。

息子の名義になっている電気契約を、親が変えられるか心配でしたが、問題なく手続きができました。

切り替えの申込みに必要な情報は、大阪ガスのサイト「マイ大阪ガス」にログインし、以下の情報を入手します。

名義人名、登録された電話番号、住所、お客様番号(ご使用番号)、供給地点特定番号

請求書の宛先を別途入力できるので、親の氏名、住所、電話番号を入力したら、申込みは完了。

あとは、「エルピオでんき」からメールで連絡がくるのを待ちます。

わずか数時間の作業で、電気代が安くなる

エネチェンジのサイトで、電気代を比較し、申請するのに要した時間は4時間ほど。

途中、電卓を叩かなければならなかったので、この時間になりましたが、そうでなければ、1時間で全てできるはずです。

エネチェンジでの申込みが終わった後ですが、
エルピオでんきから、支払い方法(カード番号登録)登録の案内がメールで届きます。
72時間だけ有効なurlが記載されているので、早めに対応します。

その後、供給開始予定日の案内、エルピオでんきMYページ登録の案内へとなっていきます。

月々の請求明細は、はがきで受け取ると有料。Web明細を選択しておきます。

後日談「節電意識に目覚めた?」

息子から「エアコンのフィルターを清掃したら、暖房の効きが良くなった」とLineで送られてきました。

「2年間、フィルター清掃してなかったのね…」

そりゃあ、電気代も掛かるよなと納得。
シーズンごとに、エアコンのフィルター清掃をするよう、返信して思いました。

「常識って思っていたけど、大学生くらいだと言わなきゃ分からないんだ。」

息子が節電に目覚めたかといえば、かなり怪しいのですが、
暖房の使用時間が減った」とも言っていたので、結果に期待しましょう。

エアコンのフィルター清掃で、節電

ネットで調べてみると、節電効果に関し、様々なデータがあることが分かりました。

信頼できそうなところのデータを紹介しておきます。

環境省:冷房で4%、暖房で6%の節電効果と記載
資源エネルギー庁:2.2kwのエアコンで、年間31.95kWhの節電と記載

標準的な2.2kwのエアコンの年間消費電力から逆算すると、4.4%の節電
月1〜2回のフィルター清掃をした場合の節電効果だそうです。

大学生の息子が、こまめにフィルター清掃をしてくれるとは思えませんが、少なくとも夏冬のシーズン単位でフィルター清掃するようにはできそうです。

次のステップは「どうやって、遠く離れた家族に節電させるか」です。

何か良い方法が見つかったら、コンテンツにしていきます。

この話しの対象者は、

京都のワンルームマンションに暮らす大学生。

冬は寒く、夏は蒸し暑いと言われる盆地なので、エアコンは必須です。
エアコンは、賃貸マンションに備え付けなので、省エネ性能はさっぱり分かりません。

夏はキンキン、冬は薄着でガンガンに暖房を効かせるのが好き。(どうして若者は、極端なのが好きなのでしょうか)

洗濯物は、浴室乾燥機でカラカラになるまで乾燥させてます。(外干しすれば良いのにとか、ノンアイロンのYシャツなのにとか、思うことは色々ありますが)

レンジは、IHタイプが2口。(自炊はあまりしないのですが、お金がなくなると自炊が始まるみたいで)

さて、どこから手を付けようか...と、のんびり構えていたら、電気代3万円の請求が来ました

驚いたのは、それだけではありません

3万円の請求書に気を失っていたところに、変更したばかりの「エルピオでんき」の事業停止のニュースが飛び込んできました。

電気代に振り回される2022年春になりました。