2021年に人気のあったAndroidスマートフォン(OPPO Reno5 A)の充電環境について考えます。
3年程度で、スマートフォンが使えなくなるのは許せん!
OPPO Reno5 Aの前に使っていたのが、HUAWEI P20 lite。
購入後、僅か3年でバッテリー劣化が原因で買い替えになりました。
数万円するものが、たった3年で買い替えになることが納得できません。
今回は、充電方法を工夫することで、4年以上使いたいと考えています。
いままで、何も考えずにスマートフォンを使ってきましたが、これからは違います。
今の私には、バッテリーの劣化を遅らせる知恵があります。
バッテリー劣化の原因は、充電方法と使用環境
満充電にするからバッテリーの劣化が早い
バッテリーが劣化する原因は、充電と放電(使用)を繰り返しするから。
充電する都度、バッテリー内部で
電解液が分解反応をすることで組成された化学物質が、電極表面を覆っていきます。
これにより、バッテリー内部の抵抗が増加し、満充電できなくなっていきます。
この分解反応は、満充電に近い電圧付近で活発に起きるので、満充電にしない充電方法が有効です。
具体的には、電圧4.2Vが満充電ポイントですが、その手前の4.1Vにも満充電ポイントがあります。
4.2V充電をした場合、バッテリー性能は、500回サイクルで初期性能の60%
4.1Vでの充電ならば、バッテリー性能は、1000回サイクルで初期性能の60%
上記のように、バッテリーの劣化を遅らせることができます。
半面、4.2Vの満充電に比べ、バッテリーの容量は1割ほど少なくなります。
と言うのは簡単なのですが、
利用者は普段やっている充電方法が、4.2V満充電なのか4.1V満充電なのか、知る手段がありません。
そこで、簡易的ではありますが、
充電中の消費電力、USBケーブルを流れる電圧と電流を測定して、OPPO Reno5 Aのバッテリー劣化を減らす充電方法を見つけ出します。
過放電がバッテリー容量を減らす
過放電をすると、バッテリーの負極(マイナス)において、銅箔の溶解が発生します。
これにより、バッテリーに貯められる電子の量が減ります。
下手をすれば、一撃でバッテリーを使い物にならなくします。
これを避ける方法は簡単、バッテリー切れのまま放置しないこと。
バッテリー残量が5%になれば、シャットダウン処理が実行されるハズ。
その後も、自己放電により、使っていなくても電池の容量は減り続けます。
バッテリー残量0%を切る前に、充電すれば良いだけです。
自己放電は、5%/月のペースだそうです。
シャットダウン中、完全にスマートフォンの消費がゼロならば、一か月以内に充電すれば良いことになるのですが、現実は...回路の一部が起きていて、微弱な電力を消費していることもあるようです。OPPOの場合は、どうなのでしょうか。
40℃を超える熱が、バッテリーにダメージを与える
バッテリーの内部で起きていることは、化学反応による電子の移動。
化学反応は温度が高いほど、活発になりますが、過剰に反応したことで、様々なダメージを受けることになります。
バッテリーが膨らむというのも、反応のひとつです。
また、温度が低すぎるのも、バッテリー本来の性能を発揮できないのでNG。
例えば、OPPO Reno5 Aなら、0℃~35℃の気温で使用するよう求められています。
OPPO Reno5 Aのバッテリー容量、充電状態表示
バッテリー容量
公称容量:4,000mAh
定格容量:3,890mAh
早くも、良く分からない2つの数字が出てきました。
この良く分からない2つ数字の説明をすると、
バッテリーの内部には、電気を貯めておくセルという部分と、充電を制御する電子回路部分の2つで構成されています。
セルの部分の性能が、公称容量。
実際には、電子回路部分での損失などで、バッテリーとして取り出せるのが、定格容量なのだそう。
ネットの情報を見て、知ったかぶりしていますが、筆者も良く分かっていません。
更に、分からないことが続きます。
リチウムイオンバッテリーは、充電に要した電気の全部を取り出すことができません。
バッテリー内部の回路での損失などが原因ですが、充電・放電率は80~90%と言われています。
定格容量を公称容量で割ると97%。充電・放電率との関係は、どうなっているのでしょう。
*注) 充放電率はwikipediaでは、80~90%と記載されていますが、別のサイトでは95%とあります。何が正しいのか…さっぱり
充電中に充電状態を知る方法
OPPOの端末は、充電状態を目視で確認したくても、2つの問題から、上手くいきません。
OPPO Reno5 Aには、満充電になった時に光るインジケータが付いていません。
なので、いつ充電が終了したのかを、外から知ることが出来ないのです。
ふたつ目の問題は、シャットダウン状態では充電できません。
充電し始めると起動してしまい、PINコード入力のところで画面が止まっています。
この状態では、充電率を知ることができません。
つまり、完全に起動した状態(スリープモード)で、充電をする必要があります。
スリーブ状態だと、バックグランドで動作するアプリで電力消費しながら、充電しているようなもの。測定する都度、違う数字が出てきそうです。
OPPO Reno5 Aの充電設定は
設定項目の中に「最適化された夜間充電」という項目があります。デフォルトでONになっていました。
説明書きでは、
「バッテリーの劣化を防ぐために、電話は毎日の充電パターンを学習して、夜間に充電速度を制御して過充電されないようにします」
とあります。
意味が分かるようで、全く分かりません。
OPPOの言うところの「過充電」とは、何なのでしょうか。
想像するに、
100%(4.1V)の充電を行った後、フル充電(110%・4.2V)を一定の時間待機する
という設定に見えます。
まずは充電して、充電パターンを理解する
ただ充電するのではなく、
消費電力やUSBケーブルを流れる電圧・電流、積算電流量を実測、充電時間なども記録に残していきます。
記録のために用意した機器
サンワサプライのワットモニター
コンセントボックスとUSB充電器の間に入れて、消費電力を測定します。
給電状態から待機状態に切り替わるタイミングを把握するのに便利です。
Route RのUSB電圧・電流チェッカー
USBケーブル上を流れる電圧、電流、積算電流量を測定できます。
使い方は簡単で、充電器から延びたUSBケーブルとスマートフォンのUSB端子の間に挿入して、使用します。
急速充電が行われているときの、電圧、電流の測定。
バッテリーに流れ込んだであろう、電流の積算値が分かります。
実測
実測の条件は、
・バッテリー残量が20%になったら、OPPO Reno5 Aをスリーブ状態にし、充電開始
・ワットモニターで給電状態から待機電力状態に切り替わった時点を充電終了とします
エレコムのUSB充電器を使ってみる
エレコムのUSB充電器は、5V・2.4A対応の充電器。USB PDなど高速充電には対応していません。
充電速度が、遅くなるトラブル発生
USB電圧・電流チェッカーがあるせいで、充電速度が遅くなるトラブルが発生しました。
何と、0.9Aしか電流が流れません。
USB電圧・電流チェッカーを外して、実測します。
「充電完了」と表示されたのが、2時間5分後。
その後、5分ほど充電が続きましたが、待機電力に切り替わり、実測は終了。
合計2時間10分掛かりましたが、実運用上、支障があるように思えません。
この終わり方からは、4.1Vの満充電ポイント以降は、5分間しか充電を継続していないように見えます。
唯、「最適化された夜間充電」の動作が不明なので、数時間経過後に、充電が再開する可能性は否定できません。
LenovoのUSB充電器を使ってみる
LenovoのChromeBook充電用のUSB充電器ですが、5V・2Aに対応しています。
Lenovoの充電器だと、USB電圧・電力チェッカーが入っていても、トラブルは起きません。
終了時間と積算電流量を測定
充電開始から待機電力に切り替わるまでが、2時間5分。
念の為、USB電圧・電流チェッカーを外して、充電時間を計測してみますが、2時間5分と変化はありません。
エレコムのUSB充電器を使うよりも、5分ほど早く終了しましたが、LenovoのChromeBookを充電した時も、同じ傾向が出ていたので、性能差があるのでしょう。
USB電圧・電力チェッカーで実測した積算電流値は、2902mAhでした。
ここで、電卓を叩いてみます。
バッテリ容量4000mAhを110%で割ると、1%は36.4mAh。
積算電流値2902mAhを80%で割ってみると、1%は36.2mAh。
流石、新品のバッテリーは、カタログ値に近い数字になります。
急速充電器で充電編
使用したUSB充電器は、OMKUYというブランドのUSB PD対応20W充電器。
怪しさ満点の充電器ですが、ちゃんと使えることは、Lenovo IdeaPad Duet ChromeBookの充電で証明済み。
実測開始するも、何か変!
急速充電(USB PD)でスタートしましたが、電圧こそ9V近くありますが、電流が少ない。
18W充電に対応しているはずなのですが、1.64Aしか出ていません。
このため、充電終了まで1時間52分掛かりました。
10W充電に比べ、たった13分しか短縮できていません。
多分、「OMKUY」の充電器が悪いのではありません。この充電器を使ってChromeBookを充電したときは、しっかり8.9V、1.92A出ていたので。
USB電圧・電流チェッカーが悪さをしていると推測。
USB電圧・電流チェッカーを抜いて、再度、充電完了までの時間を計測しました。
再測定結果は、1時間52分。全く変化がありません。
積算電流量から解ったこと
9V給電中の積算電流量は1470mAh。
5V給電中の積算電力量は387mAh。
逆算すると、バッテリー充電量90%あたりまで9Vで給電した後、5Vに切り替わっています。
LenovoのChromeBookを急速充電したときは、83%あたりで、9Vから5Vに切り替わってました。
OPPOは、急速充電でキワキワまで攻めている感じです。
バッテリーに、ダメージを与えなければ、それでも良いのですが...
充電に必要な積算電力量
ワットモニターを使って、以下の条件で計測。
充電率21%から急速充電器を使って充電。96%充電されたところで終了としました。
ワットモニターの積算電力計で計測できるのは、0.01kWhが最小単位です。
スマートフォンのように消費電力が少ないものは正確には図れません。
積算電力計だけでは、不正確極まりないので、消費電力(W)の計測も合わせて行い精度を上げていきます。
計測した結果、
充電開始から42分後に、積算電力計が最初の数字「0.01」を刻みます。
しかし、充電終了までに次の数字を刻むことなく終了。不足する数字は、計測した5分ごとに消費電力から推測しました。
バッテリー残量の75%に相当する充電を行うための積算電力量は、15.4Whと判明。
充電開始後、
最初の30分の平均消費電力:13.8W
次の30分の平均消費電力:12.2W
最後の25分の平均消費電力:4.8W
バッテリー容量の大きさから、もっと大きな消費電力量を予想していましたので、意外な結果でした。
AccuBatteryを使って計測
アプリを使って、充電時の電流値や、バッテリー容量を計測してみます。
実測方法は、OPPO Reno5 Aに、AccuBatteryをインストール。
・LenovoのUSB充電器を使用
・バッテリー残量が20%になったら、OPPO Reno5 Aをスリーブ状態にし、充電開始
・ワットモニターで給電状態から待機電力状態に切り替わった時点を充電終了
・USBチェッカーでも積算電流量を計測
実測1回目は、AccuBatteryのトラブルで失敗
何故か、充電率49%から51%の間で、AccuBatteryが計測をしていません。
USBチェッカーの値 | AccuBatteryの値 | |
積算電流値(充電電流量) | 2825mAh | 2880mAh |
未計測の3%分の補正後 | 2825mAh | 2992mAh |
AccuBatteryの方が、大きな値になっていて変な感じです。
充電状態の電圧値も4.3Vを超えた数字。あちらこちら変な数字なので、再計測します。
再チャレンジした結果は
USBチェッカーの値 | AccuBatteryの値 | |
積算電流値(充電電流値) | 2831mAh | 3029mAh |
やはり、AccuBattryの方が、大きな値です。
弱ったことに、2回目も電圧値は4.3V。
更に弱ったことに、充電電流値(3029mAh)を大幅に上回る放電電流値も記録しています。
残念ですが、AccuBatteryでは、OPPO Reno5 Aの充電状態を正しく知ることができないようです。
無念ですが、OPPO Reno5 Aは謎が多すぎて理解不能
バッテリーの充電状態を監視するアプリ「バッテリー HD」を導入しました。
アプリで、充電率が90%に達したところで、音で知らせるように設定。
フル充電の時と比較すると、使用可能時間は減りますが、短期間でスマホの買い替えになるよりはマシです。
この充電率でも、私の使い方なら1回の充電で2日半使い続けられます。
本来なら、充電率85%や80%ならどうなるか、調査すべきなのですが、力尽きました。