Lenovo IdeaPad Duet Chromebookを急速充電してみた

今回、OPPO Reno5 A用にUSB PD対応(20W)のUSB充電器を購入したので、Lenovo IdeaPad Duet Chromebookでは、どの程度、高速に充電できるのか確認することにしました。

Lenovo IdeaPad Duet Chromebookの充電性能

製品のホームページには、USB PD対応と書かれていましたが、何Wに対応しているのか記載されていません。

バッテリー容量は非開示。
2セルであることだけ、記載があります。

充電に関して、設定画面などで、いじれるオプション項目は用意されていません。

充電の状況を確認するために使用した機器

サンワサプライのワットモニター

急速充電時の電力変換効率を知るため、使用しています。
また、後述の簡易USB電圧・電流チェッカーは画面が小さく、見難いので、表示の大きなワットモニターで、状況監視すると便利です。

ワットモニター
ワットモニター

Route Rの簡易 USB 電圧・電流チェッカー RT-TC3VABK

USBケーブルを流れる瞬時電圧、瞬時電流、積算電流量を計測出来ます。

急速充電器の能力を見るには、電圧、電流、積算電流量の3つを測定することが必要です。

積算電流量は、電圧の変化を考慮してくれないので、電卓で5V換算してあげる必要があります。
その分、精度が落ちますが、ざっくりした数字が掴めればOK、ということにしました。

使用したUSB充電器

Amazonで購入した、急速充電器。

USB PD(Power Delivery)に対応した20W USB充電器です。

急速充電器

OMKUYという聞いたことがないブランド名に不安を感じつつも、値段の安さで購入しました。

外装箱には、メーカーとして「Dongguan Jingxiao Electronics Co,.Ltd.」。
連絡先は、メールアドレスが掲載されていますが、日本語は通用するのでしょうか。
思わずメーカー名で検索してみると、中国語の他、英語と日本語で書かれたホームページがありました。やや、怪しげな日本語で心配が増します...
アダプター本体には、「Dongguan Jingxiao Electronics Co,.Ltd.」という社名の他、株式会社 未来という企業が併記されています。輸入元なのでしょうか。外装箱を含め、こちらの企業の連絡先は記述がありません。

そんな事情で、出力される電圧、電流もしっかり測定します。

折角の機会なので、このUSB充電器(JX-AC-187G)の仕様を書き出しておきます。

USB PDとしての出力は
5V・3A / 9V・2.22A / 12V・1.5A と記載されています。

アダプターについたマークは、「屋内使用限定」「二重絶縁を使った感電保護クラスに準拠」「RoHS」「PSE(UL Japan認証)」。

QC 3に対応した充電ポートも付いていますが、USB PDと合わせて20Wが上限のため、急速充電をしたいなら、同時充電は不可となります。

測定方法と条件

バッテリー残量7%になったところで、シャットダウンし充電します。
USB端子横のインジケータが、グリーンに変わったら充電終了とします。

以前、実測した際は、グリーンのランプに変わった後も2時間近く、微弱な電流が流れ続け、充電が続いていました。

筆者注釈)
グリーンのランプ点灯で、充電率100%。4.1Vの満充電ポイントです。
グリーンランプ点灯後の、微弱電流は、容量いっぱいまで充電する4.2Vの満充電ポイントと思われます。
バッテリーの劣化が早まるので、私は、グリーンランプ点灯で、充電をストップするようにしています。

充電状況を実測

USB充電器の入力側に、ワットモニターを接続。
出力側は、USBケーブルとChromeBookのUSB端子の間に、USB 電圧・電流チェッカーを接続。

電源を入れると直ぐに、8.86V、1.88Aの表示になりました。
Lenovo IdeaPad Duet Chromebookは、18W給電(9V、2A)に対応しているようです。
しばらく、9V給電が続いた後、充電後半で5V給電になりました。

USB PDの18W給電の仕組みについて説明しておきます。

電池に電気を貯めるという仕組みは、電池に流れ込む電流値(mA)と時間(h)によって決まります。
つまり、電圧(V)を上げただけでは、電流量は増えないので高速化しません。
本体側(ChromeBook)に、チャージポンプと呼ばれる一種のDC-DCコンバータを用意します。
このチャージポンプICが、9V/2Aの電気を5V/3.6Aに変換します。
(実際は、変換効率が100%ではないので、得られる電流量は、3.3Aくらいでしょうか)

さて、前置きが長くなりましたが、USB PDで充電した結果を、表にしました。

項目実測値
9V給電だった時間1時間46分
5V給電だった時間29分
充電完了に要した時間2時間15分
9V給電中の積算電流量3090mAh
5V給電中の積算電流量526mAh
急速充電の実測値

電卓を叩いて、9V給電時の積算電力量を5V換算してみます。
実測値の8.86Vを使い、チャージポンプの変換効率を94%と仮定します。
3090mAh ✖ 8.86V ÷ 5V ✖ 0.94 と計算してみた結果は、5147mAh。
5V給電と合わせて、5673mAhとなりました。

ざっくりですが、充電率90%超まで、9Vの急速充電が行われ、残りの8~9%を5Vの通常充電で行っているように見えます。

電力変換効率は、消費電力が大きいと高効率

ワットモニターの瞬時消費電力とUSB電圧・電流チェッカーの実測値から、電力変換効率も計算してみます。

9V給電をしている時で、最大88%。5V給電で充電終了間際あたりが72%程度です。

USB電圧・電流チェッカーが入ったほうが、充電が早く終る?

USB電圧・電流チェッカーの影響を調べるため、当該機器を外した状態で、充電完了(グリーンランプ点灯)までの時間を計測します。

驚きの結果になりました。

充電時間
USB電圧・電流チェッカーなし2時間24分
USB電圧・電流チェッカーあり2時間15分
充電時間の比較(急速充電器を使用)

USB電圧・電流チェッカーが入っている方が、早い!
計測ミスかと思いましたが、何度やっても、結果は変わらず。

Lenovo 純正USB充電器と比較してみる

Lenovoの純正USB充電器で、充電した時の実測値は、下記のようになりました。

項目実測時
充電に要した時間3時間12分
積算電流量5643mAh
充電時間

計測用にUSB電圧・電流チェッカーを挟んでいる為か、いつもより、充電時間が数分余計に掛かっている気がします。

念のため、USB電圧・電流チェッカーを外して、充電に要する時間を計測します。
結果は、3時間08分。

こちらは、USB電圧・電流チェッカーが無い方が、早く充電できます。

急速充電器の時短効果

通常の使用状況で比較することにします。

急速充電器では、2時間24分で充電が終了できました。
5V・2Aの充電器に比べ、9V・2Aの急速充電器は、44分の短縮できました。

急速充電器の効果をフルに感じるのであれば、充電率が、7%から70%になるまでの時間を比較した方が、分かりやすかったと思います。
この範囲であれば、ChromeBookが定電圧・定電流で充電されるので、充電時間の差がハッキリ現れます。