実家を相続し、自分で登記の手続きをしてみた

経緯と自分で手続きをする経済的メリット

親が11月末に亡くなり、空き家になった実家が残りました。(相続人は私だけなので相続か相続放棄かの2択です)
実家があったのは、私の自宅から2時間ほどの東京都A市。
築50年の木造住宅と120㎡の土地が相続の対象になりました。
この不動産には、毎年、固定資産税が6万5千円ほど掛かります。十数年前に1,300~1,500万円と査定されてました。

相続後、実家を処分することを念頭に、所有者変更の登記を行うことにしました。
ただ年内に不動産の所有者変更が終わりそうもないので、A市役所に行き、納税者の変更の手続きをしておきます。

不動産の相続登記は、司法書士に依頼すると報酬額として6万円~8万円必要です。
ネットで調べると、必要な書類を揃えるのが少し手間なだけで難しいことは無さそうです。
不動産登記の手続きを自分でやって、費用を抑えることにしました。

不動産の相続登記に必要な書類を準備する

法務局のホームページから記入用紙を入手

私の場合は「所有権移転登記申請書(相続・法定相続)」が必要な書類になります。
当該ページに記入例があるので、迷わず記入することができます。

亡くなった親の戸籍謄本の入手

亡くなった親の戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍を本籍地からスタートして時代を遡りながら生まれるまで入手し続けます。

まず最初に本籍地のA市役所に出向き、除籍謄本を取得しました。

除籍謄本から、家を買ったタイミングで本籍地を移動してたことが分かったので、ひとつ前の転籍地の役所に行きます。
私の場合はA市役所の帰りに電車を途中下車してB区役所で除籍謄本を入手しました。

B区役所で入手した除籍謄本から、結婚したタイミングで転籍をしていることが分かります。次の入手先は、かなり遠い長野県C市です。遠いので郵送で除籍謄本を請求します。
C市のホームページから請求に必要な用紙を、郵便局で定額小為替を入手します。
これで、「生まれたところまで遡れた」と、その時は思いました。

相続人(私)の戸籍謄本と住民票を入手

相続人は私だけなので、とっても簡単です。
役所に行って戸籍謄本と住民票を1通取得しておきます。

固定資産評価証明書の入手

登録免許税を納付する計算根拠になるものです。
A市役所に戸籍謄本を取得しに行ったついでに入手しました。

法務局に訪問

不動産のあるA市を管轄する法務局の支局に書類提出に行きます。
支局のある場所は、A市でも街中じゃないので不便ですが、アウトレットモールがあるので、ついでに楽しむことにしました。
オフィスに入り、役所みたいに人が溢れていないことに最初ビックリ。シーンと静まり返っています。
最初に不動産登録税として印紙を6万円分購入。印紙を申請用紙に張ったら書類の提出窓口に進みます。
窓口では書類に捨て印を押すように言われたくらいでした。「一週間後の午後に登記が終わる」と言われ、引換券のようなものを頂いてあっけなく終了。次回の持ち物は、書類に使用したのと同じ印鑑と身分証明書、引換券だそうです。

書類の追加提出

書類を提出した数日後に電話が掛かってきました。
提出した書類の中に「相続関係説明図」があったことから、法定相続情報証明が必要か確認がありました。

さらに数日後、担当者から電話がありました。「亡くなった親の戸籍謄本が一部不足している」という指摘です。
長野県C市の戸籍謄本をよく見ると、生まれてから結婚するまでの戸籍情報が書かれている一方、子供のころに戸籍が抜けてから1年ほどで戻っています。(養子縁組後、解消)
この抜けた部分の戸籍謄本をとるため、再度、長野県C市に郵送で除籍謄本を請求します。
今度は長野県C市からも電話が来ましたが、何とか目的の戸籍謄本が入手できました。

手続きは終了

書類の不備があったため、時間が掛かってしまいましたが、無事、不動産の所有者変更を終わらせました。
思ったのは、手続き自体は簡単。
ただ、戸籍謄本を取り寄せるのは、手間とお金が掛かります。
特に古い除籍謄本、改製原戸籍ほど手書きの文字が達筆すぎて読めません。唯一、苦痛に感じたのが、文字を読み解く作業です。
手続きに掛かった時間(移動時間除いて5~6時間)と節約したお金を比較し、いい仕事したと自己満足。

次は、実家の売却にチャレンジします。