平井にある安養寺の庚申塔

安養寺の所在地:東京都江戸川区平井6丁目53−1

平井にある安養寺には、1基の庚申塔があります。
安養寺は幼稚園を併設しているためか、境内への立ち入りを制限しています。
でも、安心してください、庚申塔がある場所は、立ち入り制限のある場所の外。

安養寺
安養寺

安養寺は真言宗豊山派のお寺さんです。清瀧山 安全院 安養寺と号しています。

安養寺では、江戸川区登録無形民俗文化財・風俗慣習になっている念仏講があります。
江戸川区のホームページによれば、檀家有志20軒ほどで組織された念仏講で、江戸時代から続いています。毎月1日に安養寺の飛び墓地にある会館(地蔵堂)に集まって行われるとのこと。
実は、飛び墓地の方にも、庚申塔があります。

安養寺の庚申塔

庚申塔は、門を入って直ぐ右側にあります。(庚申塔の左隣は馬頭観世音)

庚申塔を観察していきます

笠付の石柱に刻まれているのは、六臂の青面金剛像。
合掌し、邪鬼を踏みつけています。邪鬼の下には三猿がいます。

安養寺の庚申塔
安養寺の庚申塔

特徴的なのは、第3手の描かれ方。
恨めしや~って感じの手の角度、弓を掴む3本の指!。そんな掴み方じゃ力が入りません~。

庚申塔の右側面

右側面に刻まれた文字を確認します。
梵字に続き「奉供羪庚講中二世安樂 敬白」。
「庚申」ではなく「庚」一文字なのは、なぜなのでしょう。

安養寺の庚申塔(右側面)
安養寺の庚申塔(右側面)

庚申塔の左側面

左側面に刻まれた文字を確認します。
「正徳五乙未歳九月吉日 同行二十三人」(赤字は判読しにくいので注意深く見てください)

安養寺の庚申塔(左側面)
安養寺の庚申塔(左側面)

正徳5年(1715年)の庚申塔でした。

安養寺の馬頭観世音

庚申塔の隣は馬頭観世音です。

安養寺の馬頭観世音
安養寺の馬頭観世音

八臂の馬頭観世音の座像です。第一手の指の数が多い気がしますが、気のせいでしょうか。
残念ながら顔面が崩壊してしまっています。
それでも馬頭観世音と分かったのは、台石に「馬頭観世音」と刻まれていたから。

左側面に年号があります。私の目には「大正」と見えます。
大正時代のものなのに、ここまでボロボロになるかって感じです。

安養寺飛び墓地の庚申塔

安養寺へのアクセス

JR総武線 平井駅から徒歩10分 (750m)