上篠崎にある弥陀堂跡の庚申塔

弥陀堂跡の所在地:東京都江戸川区上篠崎2丁目21

上篠崎にある弥陀堂跡(みだどう)は、現在、無量寺の墓地になっており、東門のところに教育委員会設置の小さな看板があるだけの場所です。

この場所には、江戸川区登録有形文化財の「阿弥陀堂跡墓地所在の地蔵菩薩像庚申塔」があります。

弥陀堂跡の看板
弥陀堂跡の看板

看板には「弥陀堂跡」や「弥陀堂の和尚」という表記がされているものの、何故か本文では「弥陀堂」や「弥陀堂跡墓地所在の地蔵菩薩像庚申塔」と「阿」が付いています。

地蔵菩薩像庚申塔のある場所

不幸にして南門(下記写真)にたどり着いてしまった場合は、突き当りまで真っすぐ行って、右に曲がります。東門の近くに祠があり、石造物が並んできます。
東門から入れば、目の前に大きな祠があるので迷いません。

墓地の南門
墓地の南門

祠の中には全部で4つの石造物が並んでいます。
大きな石碑の右隣にある地蔵菩薩が庚申塔です。

阿弥陀堂跡墓地所在の地蔵菩薩像庚申塔
阿弥陀堂跡墓地所在の地蔵菩薩像庚申塔

こちらの庚申塔は、像容が地蔵菩薩なので、刻まれた文字を確認しないと庚申塔か判別できないタイプになります。光背型の石造物ですが、上部がぽっきり折れたことがあるようで修理痕があります。

地蔵菩薩の文字を確認してみた

地蔵菩薩の右側から見ていきます。

「庚申講結衆」や「青面」の文字が判読できますが、それ以外の文字は目視では判読できません。
教育委員会設置の看板に頼ることにします。「庚申講結衆●善根功徳之基本拾年余輩必人名●青面庚申之結衆造専 地蔵●浄土尊像偏大非代一文(以下、略)」

地蔵菩薩の右側
地蔵菩薩の右側

地蔵菩薩の左側には、紀年銘が入っています。
「寛文五●巳年八月吉日」(「吉日」の部分は「廿一日」にも見えるので自信ありません)

地蔵菩薩の左側
地蔵菩薩の左側

寛文5年(1665年)の庚申塔です。

阿弥陀堂跡墓地所在の地蔵菩薩像庚申塔(まとめ)

この庚申塔がある場所は、旧 上篠崎村です。
昔から、上篠崎村にある阿弥陀堂の所有者は、下篠崎村の無量寺だったのでしょうか?

新編武蔵風土記稿によれば、上篠崎村の条には、「阿弥陀堂」(善龍寺持ち)と記載があります。
実は、善龍寺というお寺さんは現存していません。廃寺になったのでしょう。
江戸川区史を読むと、無量寺の条で「明治17年頃、篠崎の弥陀堂を合併」とあります。

新編武蔵風土記稿によれば、善龍寺は新義真言宗のお寺さんでした。

善龍寺の檀徒の方が奉納した庚申塔なのでしょうか。地蔵菩薩には奉納者が分かるものは刻まれていませんでした。

阿弥陀堂跡へのアクセス

都営新宿線 篠崎駅から徒歩11分 (850m)
都営新宿線 篠崎駅から小岩駅行きバス。上篠崎バス停下車、徒歩2分