残された電気代の削減策は、 買い替えという投資を伴う節電と多少手間が掛かる待機電力のカット

我が家では、新電力会社のLooopでんきを使っています。

ライフステージの変化などに合わせ、東京電力エルピオでんきLooopでんきと、電力会社を渡り歩いたことによって、節電以外の方法で電気代を下げることに成功しています。

残された電気代の削減策は、
買い替えという投資を伴う節電多少手間が掛かる待機電力のカットです。

この記事では、我が家の事情にあった節電方法について考察していきます。

意外なモノが電力を消費していた。

電力会社のホームページには、利用者が、どの時間帯に、どれくらい電気を使ったのか知ることができる電力使用量グラフが用意されています。

この電力使用量グラフを、丹念に眺めていくと、意外な時間帯に電力の消費が増えていることや、誰もいない時間帯の消費電力などを知ることができます。

ここから見えてきたのは、機器の老朽化と待機電力でした。

節電方法を考えてみた。

機器の老朽化ですが、本来の性能を発揮できなくなっている場合と、時代遅れで電力消費が大きいものの2パターンに分かれます。

待機電力は、家電であれば、どんなものでも多かれ少なかれあります。これは、かなり意外
例えば、リモコン操作があるとか、時計やセンサーが付いているとかなら理解できます。
しかし、電気スタンドとかトースターとかも待機電力があるんです。
これは、電源回路(ノイズフィルター)の特性上、スイッチが切れていても、コンセントが刺さっていれば発生するものらしい。待機するための消費では無いんですけどね。

消費電力高いものから買い替えか?

浴室換気乾燥機(ガス式)は使用時間がポイント

電力使用量表示グラフから見えてきたのは、風呂場の浴室換気乾燥機(ガス式)の消費電力の多さ。

熱源がガスなので油断していました。
カタログを調べると消費電力が88Wとあります。

20数年前の機種なので、消費電力が高いのかと思いましたが...

ネットでざくっと調べてみると、浴室用換気扇なら20W以下。 浴室換気乾燥機(ガス式) になった途端、75~100Wが普通。
ちなみに、台所のレンジフードも75~100Wが主流のようですが、
DCモータを使用したものも出ていて、消費電力が35~65Wの省エネ製品も選べるようです。

浴室換気乾燥機(ガス式) に関しては、省エネ製品の選択肢がなさそうなので、使用時間で節電することになります。

カタログ通りの性能を得るために、フィルターの清掃をして、風量を確保します。
実は、浴室換気乾燥機のフィルターには埃はあまり着きません。その代わり、黒カビが生えてきます

1年前までは、この方法が通用したのですが、現在は、衣類乾燥の時間が長時間化、カタログ値の2.5~3倍の乾燥時間が必要になっています。

浴室換気乾燥機を観察してみると、轟音をたてている割にそよ風のような風量しかありません。
そうです、いわゆる機器の老朽化による寿命換気ダクトも汚れているかもしれません。

機器を買い替えるか、浴室のリフォームか...
何やら大ごとになりそうな予感。

時代遅れのプラズマテレビは買い替え時

我が家のテレビは13年前の37インチ・プラズマテレビ。まだまだ、壊れそうにありません。

一般的にテレビの寿命は6~7年と言われていますが、総務省の消費動向調査によれば、一般家庭の買い替え周期は9年なんだとか。
故障はしていなくても、劣化により画面が暗くなっているはず。(輝度が半減するまでの通電時間は液晶なら6万時間、プラズマは10万時間。充分な長さですが)

ダラダラ見るのを止めようと誓ったものの、コロナ禍で一日家にいると、ついつい電源を入れてしまいがち。

電力使用量表示グラフを眺めていると、テレビの電源を入れた時間帯で消費電力が跳ね上がっていることが分かります。

一日3時間電源を入れるものとして、定格消費電力から電気代を計算してみました。
40インチ液晶テレビの安いやつ(3万円台の製品)に買い替えれば、電気代が1/4~1/5になって、6~7年で元が取れるように見えます

37インチ・プラズマテレビ(パナソニック製2007年モデル):298W
40インチ・液晶テレビ(東芝製2019年モデル):67W

しかし、定格消費電力で計算すると大きなミスを犯すことになります。

ここで、定格消費電力と年間消費電力の違いに注目します。

定格消費電力とは、最大出力時の消費電力です。
つまり、明るさ最大の設定、音量もMAX、付加機能も全部ON、出力する映像も消費電力が多くなるコンテンツを使用。
そんな使い方は普通しないので、定格消費電力の電気代を比較して、元が取れると判断するのは早計。

ならば、年間消費電力の登場です。
年間消費電力は、省エネ法に基づいて、平均視聴時間4.5h/日✖365日を基準に算出されたものです。
パナソニックのホームページによれば、スタンダードモードを基準に、視聴時間4.5h、待機時間19.5hの割合で算出されているそうです。
実感に近い製品間の比較ができるとは言え、電気代の差だけで元が取れるかは使い方次第。

折角なので、東芝の液晶テレビを題材に取り上げ、定格消費電力と年間消費電力に相関関係が無い例を示します。
2021年9月時点で入手可能な同一メーカーの40インチ・フルハイビジョン液晶のモデルで比較表を作例しています。

モデル名(発売年)定格消費電力待機電力年間消費電力省エネ達成率
REGZA 40S22(2019年)67W0.4W60kWh/年250%
REGZA 40V34(2020年)70W0.4W/機能動作時10W50kWh/年300%
東芝のホームページより筆者作成

この比較表への理解としては、
2020年の製品では、機能や性能が上がって定格消費電力は増えたけど、普通に地上波を見ている分には、消費電力は減りましたって感じでしょうか。

壊れていないものを買い替えることに抵抗を感じるものの、買い替え時なのは確か。
家電量販店に行けば、有機ELの4K大画面テレビがお出迎え。ついつい、そちらに目も心も奪われます。

ところで、
プラズマテレビからの買い替えだから節電効果が高いのだろうと思ったあなた! 違います
省エネ達成率を見て分かる通り、2010年の40インチ液晶テレビに比べ、最新機種では1/3の年間消費電力になっています。
省エネ技術の進歩に驚くばかりです。

簡単にできるものから待機電力のカットを考える

待機電力が大きいものの代表は、ガス給湯器。
待機電力は、1.2W~4.5Wとかなり高い値です。
しかし、ガス給湯器は構造上、ブレーカを落とさない限り電源を遮断できない仕組み。
冬場の凍結防止機能などセンサー類も常時稼働させておいた方が良いので、待機電力のカットは諦めます。

ということで、最初に目を付けたのがエアコン。
待機電力カットは、手間が掛からないものから実施していきます。

シーズンOFFには、エアコンのコンセントを抜きます

この記事を書いているのが、9月の下旬。
我が家では夏場の冷房時期しかエアコンを使わないので、シーズンOFFに、コンセントを抜いても大した手間ではありません。

同居家族が減り、今は空き部屋になった場所のエアコンもコンセントを抜いておきます。

コンセントを抜いたついでに、フィルター清掃もしておきます。

シーリングライトは壁スイッチでOFF/ONします

天井のシーリングライトも少ないとはいえ、待機電力がある機器です。
部屋の壁に付いているスイッチで電源OFFすれば、待機電力は発生しません。

付属のリモコンは、使いようによっては便利ですが、我が家では無くても困らない程度の存在です。

ひとつひとつの待機電力は小さいですが、小さな我が家でもシーリングライトは全部で5つもあります。内、ひもが付いているのが2つ。ひもで操作できても、壁のスイッチで電源OFFです。

USB充電器はコンセントに差しっぱなしにしない

USB充電器にも、僅かながら待機電力があります。

定位置にある安心感からか、ついコンセントに差しっぱなしにしますが、我が家では使用後に抜くように変更しました。

理由は節電というよりも安全のため。
充電中でもないのに充電器が温かくなっていたことがあって、ちょっと怖いなと感じたので。

私の口ぐせは、「電気は怖い」。仕事でも家庭でも、怖い思いをしたことがあります。

電子レンジや電気スタンドは、節電しないという選択

我が家で常時コンセントに刺さって待機電力が発生しているものは、電子レンジ、電気スタンド、洗濯機、テレビ、DVDレコーダー。

この内、電子レンジと電気スタンド、洗濯機の3つがコンセントを抜けそうで抜けない代表。
使いたいときにパッと使える便利さを優先させています。

洗濯機は毎回抜き差ししても良いのですが、大した節電効果もなさそうなので対応を悩み中。

待機電力の一覧を入手したい方は

平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書」という資料(PDF)が資源エネルギー庁のサイトにあります。参考にされては、いかがでしょうか。

9年ほど前(2012年)の資料ですが、

待機電力ゼロを達成できている家電は、電気こたつ、ホットカーペット、電気毛布の3点。

待機電力が限りなくゼロ(待機電力0.01W)に近づいているのが、洗濯機と電子レンジでした。
(我が家の洗濯機は2021年製、電子レンジは2012年製なので、待機電力は最小クラス)

最初に例として挙げた、電気スタンドは0.2W、トースターは0.05Wとあります。

ちなみに、9年ほど前の携帯電話用充電器は、0.34Wの待機電力でしたが、現在のUSB充電器では0.04~0.08W程度と省エネ化してきています。

0.01Wの待機電力が、年間いくらになるかといえば、2.3円ほど。
なので、電子レンジと洗濯機はコンセントに差しっぱなしで良さそうです。

トースターの待機電力に関して

普及型のトースターやオーブントースターは待機電力ゼロらしいです。温度設定や時間設定を機械任せに出来る高級品になると待機電力が発生します。(メーカーの取り扱い説明書で確認)

更にメーカーは、安全上の注意として「使用時以外はコンセントからプラグを抜くよう」取り扱い説明書に記載しています。絶縁劣化による感電、漏電火災のリスクがあるとのこと