鹿骨にある密蔵院の庚申塔と馬頭観世音

密蔵院の所在地:東京都江戸川区鹿骨4丁目2−3

閻魔大王が出迎えてくれる密蔵院は、鹿骨バス停の直ぐ近くにあります。
ここ密蔵寺には、庚申塔が一基あります。年代物の馬頭観世音もあるので、合わせて観ていきます。

密蔵院 閻魔大王
密蔵院 閻魔大王

訪問したのは、4月8日。山門前に、花で飾られた、ちょっと変わったものが置かれています。
お釈迦様の誕生日(花まつり)ということで、甘茶が振舞われていることが告知されていました。
この場所にあったのは、ボールの中に甘茶が注がれ、ボールの真ん中に釈迦像が立っています。小さな柄杓が添えられていて、柄杓ですくった甘茶を釈迦像に掛けるのだそうです。

密蔵院
密蔵院

密蔵院は、真言宗豊山派のお寺さんです。本命山 密蔵院 明光寺と号します。
江戸時代に発行された新編武蔵風土記稿に記載があるのに、江戸川区史に掲載されていない不思議なお寺さんです。調べてみると、宗教法人登録されたのは、平成2年。それまでは、東小岩の善養寺の仏堂の扱いだったり、善養寺の門徒の扱いだったりしてました。

本堂前の石造物

本堂前に石造物が3基ならんでいます。中央が庚申塔、右側が馬頭観世音です。
庚申塔と馬頭観世音の前には牡丹の木があり、赤紫の花が見ごろを迎えていました。
密蔵院のホームページ(ブログ)によれば、例年より、かなり早く満開になったそうです。

本堂前の石造物と牡丹の花
本堂前の石造物と牡丹の花

石造物の撮影や観察には少々支障がありますが、花が綺麗なので、それも許せてしまいます。
花より石造物という方は、真冬の訪問が良いかもしれません。

庚申塔

石造物の中央にあるのが、青面金剛像の庚申塔です。
六臂の青面金剛は合掌しています。邪鬼を踏みつけているのですが、邪鬼は顔しか描かれていません。

密蔵院の庚申塔
密蔵院の庚申塔

三猿の描き方も、かなり独特。
3匹とも左を向いています。
しかも、見猿、聞か猿、言わ猿ではありません、合掌しています。
その合掌も、右端は膝の上で手を合わせているのですが、真ん中は胸のあたりまで手が上がり、左端は顔の前で手を合わせています。驚くことに正面から写真を撮ると合掌ではなく、見猿、聞か猿、言わ猿になるようだ。
これは、かなり面白い!!! 偶然なのか、意図したのか!

密蔵院の庚申塔
密蔵院の庚申塔

文字は、どこにも彫られていないので、年代や奉納者が不明な庚申塔でした。

馬頭観世音

六臂の馬頭観世音が合掌する像が描かれています。
観世音の頭の上に「馬の頭」が描かれていますが、どちらかというと「犬顔」。

密蔵院の馬頭観世音
密蔵院の馬頭観世音

左側面に紀年銘が入っています。「明和五●子十月」と読めます。(●は判読不能ですが「戊」でしょう)
明和5年(1768年)の馬頭観世音でした。

密蔵院へのアクセス

JR総武線 小岩駅からバス(小76系統)。鹿骨バス停下車、徒歩0分