篠崎町にある無量寺の庚申塔

無量寺の所在地:東京都江戸川区篠崎町3丁目5−15

篠崎町にある無量寺には、庚申塔が2基あります。

無量寺は、真言宗豊山派のお寺さんです。
開山は平安時代中期と言われ、金瀧山 真徳院 無量寺と号しています。

無量寺
無量寺

旧 下篠崎村の寺院ですが、上篠崎村にあった善龍寺や東光寺を合併したようで、境外にも2か所の墓地(弥陀堂跡墓地、篠崎東光寺浄苑)を運営しています。
無量寺にある庚申塔2基のうち、1基は善龍寺の境内にあったものです。
更に付け加えれば、境外2か所の墓地内にも、庚申塔があります。

善龍寺(中寺)門前石仏・庚申塔

本堂の左手に、「善龍寺(中寺)門前石仏」と看板が出た石仏堂があります。
石仏堂には3体の石仏が鎮座しています。
驚くのは、それらの石仏の摩滅度合い。どれだけの期間、参拝者が石仏を撫でてきたのか。

善龍寺(中寺)門前石仏
善龍寺(中寺)門前石仏

新編武蔵風土記稿から善龍寺の説明部分を切り出すと、
上篠崎村にある寺院で、「新義真言宗、東小松川村善照寺末、法輪山と号す、本尊阿弥陀、中興の僧は賢空(万治3年12月没)」

善龍寺(中寺)門前にあった庚申塔

石仏堂の右端が庚申塔です。
笠付の石柱に青面金剛像が描かれています。青面金剛像は摩滅が激しく、正確に像容を把握できません。

無量寺の庚申塔
無量寺の庚申塔

青面金剛像は合掌して台の上に立っているようです。台のようなものに邪鬼が描かれていたかもしれませんが、現在は唯の模様のようにしか見えなくなっています。多分、六臂の青面金剛像が描かれていたのですが、それすら確認できないほど摩滅しています。
青面金剛像の下には三猿も描かれています。

両側面を確認しましたが、こちらも摩滅が激しく、文字があったかすら分からない状態です。

善龍寺(中寺)門前にあった庚申塔は、年代不明の庚申塔でした。

異形の青面金剛像(庚申塔)は見ごたえ充分

墓地の入口のところにも、庚申塔があります。(以前は、山門のあたりにあったらしい)

笠付の石柱に異形の青面金剛像が描かれています。三猿が描かれた台座がなければ、庚申塔だと気が付かないほど、一般的な青面金剛像と異なるデザインの像です。

無量寺の庚申塔
無量寺の庚申塔

六臂の青面金剛像ですが、左手でショケラの髪を掴み、右手で宝剣を持っています。
第3の手ですが、右手に矢、左手に弓を持っているので、右利きですね。
青面金剛の両隣には、童子がいます。踏みつけている邪鬼は、頭が2つ身体が1つに見えます。
日月(太陽と月)も確認できます。

無量寺の庚申塔(左側面)
無量寺の庚申塔(左側面)

庚申塔の左側面に紀年銘が入っています「千時 亨保九甲辰天二月上旬」

右側面には、「奉造立庚申像」「金龍山」「無量寺」
庚申講の方たちが奉納したのではなく、お寺さん自らが造ったのでしょうか。

亨保9年(1724年)の庚申塔は、石工の腕も良く、見ごたえのある青面金剛像でした。

無量寺へのアクセス、山門の開門時間

都営新宿線 篠崎駅(南口)から徒歩10分
山門の開門が7時、閉門が17時(諸堂は16時まで)