正圓寺の所在地:東京都江戸川区東葛西3丁目4−22
東葛西にある正圓寺は、文明年間以前の草創と伝えられる旧 長島村の古刹です。
新義真言宗のお寺さんで、海寶山 地蔵院 正円寺と号します。
正円寺には2基の庚申塔があり、内1基は江戸川区登録有形民俗文化財だそうです。
庚申塔がある場所
本堂に向かって行く途中の左側にあります。
文字塔と青面金剛像の2基ですが、くさりで囲まれた場所に大切に置かれているので、見つけ易いと思います。
左側の文字塔の方から見ていきます。
庚申塔 文字塔
笠付の石柱に文字が刻まれているタイプの庚申塔です。
文字が薄くて、読むのに苦労しますが、こちらが江戸川区登録有形民俗文化財の庚申塔です。
「奉造営庚申結衆二世安楽」と刻まれているそうですが、実際のところ判読できる文字は、梵字「奉●瑩庚申結衆二世安樂」って感じ。
紀年銘は、更に判読できなくて「寛文●葵●天」「●月吉日」。
寛文3年(1663年)の庚申塔だそうです。
台座に三猿が描かれています。
石柱の裏側には、上半分に梵字が多数書かれ、下半分に「三界萬霊回向」と刻まれています。
庚申塔 青面金剛像
六臂の青面金剛がショケラと宝剣を持ち、邪鬼を踏みつけています。
第3手の持ち物は、良くある弓と矢ですが、第2手の持ち物が変わっています。
右手は良くある、三叉戟のようですが、左手は棒のような持ち物です。
三猿は台石の方に描かれていました。
側面に紀年銘が入っていますが、判読するのが大変。
右側面「●化四丁未●」、左側面「十二月造立● 別當 正圓寺」
年号の一部が判読できていませんが、数字と干支から、弘化4年(1847年)の庚申塔と分かりました。
「別当」の記述が気になります。正圓寺が別当を務めていたのは、新編武蔵風土記稿によれば、神明社と湯殿山権現社の2つ。現在も、残っているのだろうか。
正圓寺へのアクセス
東京メトロ東西線 葛西駅から徒歩16分 (1.2km)