fire HD 8、高速充電してみた。「遅い!充電詐欺かぁ」

ビックカメラ・ドットコムで「アマゾンのfire HD 8」が安売りされていたので、衝動買い。

使い勝手は想像通りだったのですが、充電性能が、驚くほどのタコ助

早速レポートしていきます。

fire HD 8(第10世代)
fire HD 8(第10世代)

fire HD 8(第10世代)の充電仕様

購入したのは、fire HD 8(第10世代)。「fire HD 8 Plus」ではありません。

fire HD 8の充電は、USB-Cによる充電のみ対応しています。

最大5V-3Aの充電に対応していますが、付属のACアダプターは、5V-1Aのものです。
「fire HD 8 Plus」には、5V-1.5AのACアダプターが付属するのですが、実に中途半端。

充電時間は、5V-1Aで5時間ほど。時間が掛かり過ぎて、話にならないレベルです。

バッテリー容量は非公表。どんだけ、でかいバッテリーなのでしょうか。

スペック上は、5V-3Aの急速充電に対応していますが、その実力は、どうなのか。

手元のACアダプタ(USB充電器)を使って、急速充電のテストを行いました。

5V-3Aの充電は出来ない?

あやしい中国製のUSB充電器ですが、ChromeBookやOPPO Reno5 Aの急速充電では、問題なく使用できている充電器を用意しました。

急速充電器
急速充電器

ブランド名:OMKUY
型名:JX-AC-187G
対応する充電方式:USB PD、Quick Charge対応 (5V-3A、9V-2.22A、12V-1.67A)

いつも通り、計測用にサンワサプライのワットモニター、USBチェッカーを用意します。

ワットモニター
ワットモニター

ワットモニターで、充電中の消費電力を計測。
USB Type-C電圧・電流チェッカー(以下、USBチェッカー)で、USBケーブルを流れる電流と電圧、積算電流を計測しました。USBチェッカーは、最大20V/5A(100W)まで計測できます。

簡易USBチェッカー
簡易USBチェッカー

測定は、バッテリー残量が10%になったところで充電開始、バッテリー充電量が90%で終了としました。

fire HD8充電中
fire HD8充電中

充電開始前に、シャットダウンしておいたのですが、充電を開始するとfire HD 8が自動起動してきました。
起動途中では、充電が開始されません。
シャットダウン中は、充電しない仕様のようです。

「シャットダウンしてから充電する」と、充電時間が少し短くなるのですが、出来なくて残念。

充電開始直後、USBチェッカーは、5V、2.5Aを示しましたが、それは数秒間だけ。

以後、4.83V1.62Aの表示が続きます。
ワットモニターの消費電力表示も、9.2Wで安定しています。

充電開始から2時間が過ぎた時、動きがあり、アンペア数と消費電力が減少し始めます。

充電開始から2時間11分。バッテリー残量が90%に到達したため、試験終了。
この時の、積算電流は3,535mA、積算電力量は0.02kWhを指していた。

今回、バッテリ容量の80%を充電したことから、
fire HD 8のバッテリー容量は、4,200〜4,400mAhと推測
スマホより、若干、容量が大きい程度にみえます。

それにしても、3A対応なのに、何で1.6Aしか流れない?

USB充電器との相性なのか、計測に問題があるのか...
追試をすることにした。

追試。USBチェッカーを外すと

使用している「USBチェッカー」ですが、測定する機器との相性が、かなりあります。

追試では、USBチェッカーを外して充電してみます。

fire HD 8(第10世代)の充電テスト
fire HD 8(第10世代)の充電テスト

おっとビックリ。

充電中の消費電力の値が、11.2〜11.4W(11.3Wで安定)になりました。

前回は、消費電力は9.2W。USBチェッカーでは4.83V、1.62Aでした。

消費電力の差から類推して、1.99Aくらいで充電しているようです。

前回よりは良くなりましたが、タブレット側、USB充電器側の両方が3Aに対応しているのに、「2Aでしか充電されない」ことが非常に不満

「3A充電できる方法」を、ネットで探したが、
「Anker PowerPort Atom III 45W Slim(5V-2.4A対応)を使った時に、2.02A充電だった」ことが、分かったくらい。自分で試行錯誤してみるしかなさそうです。

さて、不満のある2A充電ですが、バッテリー残量10%から90%まで充電するのに掛かった時間は、1時間46分

前回が2時間11分なので、27分の短縮でした。
1時間46分は、悪い数字ではないが、更なる時短に挑戦していきます。(追試決定

google playをインストールしたので、アプリを追加

今回の追試では、「fire HD 8」に、バッテリー管理用のアプリ「AccuBattery」を入れてあります。

AccuBatteryが推定したバッテリー容量は、4,413mAh〜4,445mAh。
前回、USBチェッカーの測定値から推測した容量とも一致。

fire HD 8(第10世代)の前モデルは、4,750mAhのバッテリー容量だったが、容量減になった様子です。

追試は、USBケーブルを変更

実は、充電時のアンペア数には、USBケーブルの長さや太さが影響します。

今回使用したOMKUYのUSB充電器には、1.2mのUSBケーブルが一体型で付いています。

「ケーブルが長過ぎて、性能を落としているんじゃないか?」

そんな疑問から、太くて短いUSBケーブルを買ってきて追試をすることにした。

幸いなことにOMKUYのUSB充電器には、QC対応のUSBポートが付いています。
このUSBポートも5V-3A対応です。

アマゾンやヨドバシでUSBケーブルを探しましたが、この追試にちょうど良いUSBケーブルは、結構なお値段です。
バカ安で買ったfire HD 8には、勿体ないので、ダイソーに行ってきました。

ダイソーのUSBケーブル

高速充電・通信ケーブルと書かれた、ピンク色のUSBケーブル。

パッケージには、「高速充電」「3A」「10cm」の文字が踊ります。

ダイソーのUSBケーブル
ダイソーのUSBケーブル

パッケージを嘗め回すように見て回っても、ケーブルの仕様はありません。

このケーブルは、USB2.0なのか3.0なのか?

USBケーブル(パッケージの裏に小さい文字で)
USBケーブル(パッケージの裏に小さい文字で)

パッケージの裏に、小さな文字で一言「USB Power Deliveryには対応していません」。

買うときに、絶対に見ない場所に、変なことが書いてありました。

高速充電を謳っているのに、USB-PD非対応かぁ。

コネクターの色を確認すると、「白」。コネクターに付いているマークは、USB 2.0!。

絶対、高速で通信しない仕様です!

まあ良い。テストしてみようじゃないか。

充電してみた

ダイソーで購入した、ちょっと怪しげなUSBケーブル。
ピンク色なので視覚的に見分けやすくてGood。

短いUSBケーブルで充電してみる
短いUSBケーブルで充電してみる

サンワサプライのワットモニターで計測した消費電力は、12.5W

充電性能が上がったことが確認できます。

残念ながら、USBチェッカーが使えないので、電圧が上がったのか電流が上がったのか判断できません。

今回の充電も、バッテリー残量10%から開始して90%で終了です。

充電完了までの時間は、1時間36分。前回より10分の短縮でした。

電卓を叩いてみると、今回は2.2Aで充電されたようです。
バッテリー管理のアプリ「AccuBattery」で計測された充電速度は2,215mA。

誰が悪いのか、3Aの充電からは、程遠い結果。

こんなものと、諦めかけけた時に思い出しました。
「今は使っていないエレコムの充電器が、5V – 2.4A対応」でした。

次は、このエレコムの2.4A対応の充電器で確認してみます。
何やら最終目標が、3A充電から2.4A充電に下がった気もしますが...

再追試は充電器を変更。エレコム2.4A充電器の実力は?

使用したのは、エレコムの5V-2.4A対応のUSB充電器。
型名は、MPA-ACC04BK。
スマホ(Huawei P20 Lite)の充電テストした時には、Lenovoの充電器(5V-2A)に充電時間で負けてます。

エレコムの2.4A充電器
エレコムの2.4A充電器

テストでは、条件を合わせるため、USBケーブルを、ダイソーのものしました。

充電を開始すると、ワットモニターに13.1Wの表示。かなり、期待できそうです。

エレコムの充電器でfire HD 8を充電
エレコムの充電器でfire HD 8を充電

充電開始後、5分、10分と時間が進むに連れ、消費電力がじんわり下がっていきます。

15分後に、12.8W前後まで下がったところで安定。

充電が終了したのは、1時間32分後。4分の短縮です。

既に、1時間半程度で充電できてますが、スペック通りの性能が出てないことが不満です。

USB充電器による差は

今回、AccuBatteryが記録した充電速度は、2,253mA。
前回のOMKUYの充電器の時が、2,215mA。

USB充電器による性能差はありましたが、その差は、僅か1.7%。

「目くそ鼻くそ」のレベル。

私が最初に見たUSB チェッカーの「2.5A」という数字。
どうしても、再現してみたい。

wifiを切って充電。充電時間は?

条件で変えたのは、充電中はwifiをoffにするだけ。

ネットでは、wifiを切って充電すると、若干早くなるとあります。

変更して、充電を開始すると、ワットモニターは13Wの表示でスタート。

『以下同文』という感じです。

終わってみれば、充電時間は1時間35分。
誤差の範囲なのか、3分遅くなりました。
AccuBatteryが測定した充電速度は、2,230mA。

期待外れの結果に終わりました。

fire HD 8のバッテリーの持ちはGood

電力消費が多い時期にLooopでんきが実施している「節電大作戦(DRプログラム)」。
面白いので、私も参加しています。

実際に参加してみた結果、指定された節電タイム中の過ごし方が重要と気付きました。

電気を極力使わないで、暇を潰す方法として思いついたのが、読書。
ところが、新型コロナの影響で、図書館は閉館。

ならば、Amazon Prime VideoやPrime Readingで、事前にコンテンツをダウンロードして使えるようにしようと発想した次第。

既に、スマホ2台、ChromeBook、モバイルPCと色々持っています。

台数はいっぱいあるのに、Amazon Prime VideoやPrime Readingを、「快適に利用できる画面サイズ、バッテリー切れを心配しない稼働時間の長さ」というニーズに合いません。

fire HD 8は、これらのニーズを満たし、且つ、安いのが魅力。

唯一の欠点が、充電時間の長さ。
今回、色々試してみたが、満足のいく結果が出せませんでした。

「充電詐欺」にあったような気分です。
どうしたら、スペック通りの性能が引き出せるのでしょうか。