円福寺の所在地:東京都江戸川区西一之江3丁目28−13
江戸川区西一之江のある円福寺は、真言宗豊山派のお寺さんです。
江戸川区史によれば、開山は大永2年(1522年)だが、それ以前から草庵があったそうです。
天和3年(1683年)に大杉にあった東福寺を合併、その他数ヵ寺を合併している歴史があるそうだ。
また、「西一之江二の四四一の地蔵堂敷地は同寺の所有で、大杉会館が建ち地蔵尊がまつられている」との記述も見られるので、境外にも、円福寺の関連施設があることが伺えます。
さて、手元の資料によれば、円福寺には庚申塔があることになっているが、不正確な情報が多く非常にやっかいな状況です。
円福寺の庚申塔に関する情報一覧
・円福寺の無縁塔のところに、明和2年の青面金剛像がある
・円福寺の墓地(西一之江1丁目)に、年代不明の青面金剛像(兼 道標)がある
・円福寺に「庚申塔」と文字が刻まれた年代不明の庚申塔がある
それでは、円福寺の境内を見ていきます。
庚申塔があるのは無縁塔の裏
見つけられたのは、庚申塔1基だけです。
無縁塔の裏側、塀と無縁塔の間に石仏が多数置かれた場所にいました。
狭い場所であること、植え込みやガレージがあることから、青面金剛像に近づくことができません。
手を目いっぱい伸ばして、撮影したのが下の写真です。
庚申塔を観察する
六臂の青面金剛が、ショケラと宝剣を持っています。
第2手・第3手は、法輪・槍、弓と矢のよくあるパターンです。
上部に日月が確認できますが、足元は他の石造物に邪魔されて確認できません。
仕方ないので、ネットで情報を探しています。有難いことに、右方向から撮影された写真も見つかりました。
右側面に紀年銘があり、明和2年(1765年)と特定できました。
青面金剛の足元には邪鬼、邪鬼の下には三猿も描かれています。
他の庚申塔は
『「庚申塔」と文字が刻まれた年代不明のもの』は、確認できませんでした。
廃棄されたのか、青面金剛像の近くに裏返しで倒れていたものがそうなのか...探し方が悪いのか。
境外の方は、場所が特定できません。継続して調査を進めていきます。
現時点で分かっていることは、
西一之江1丁目には、墓地など宗教施設がないということ。
昭和42年以前の資料ならば、当該住所は松江4丁目~7丁目になっているが、掲載されているのは平成の資料ということ。
昭和59年に西一之江1丁目は西一之江3丁目に住居表示変更が行われている。これにより、円福寺の住所は、西一之江1丁目1049番地から西一之江3丁目28-13になっている。
江戸川区史に出ていた「西一之江二の四四一の地蔵堂敷地」は、昭和59年の住居表示変更により、大杉2丁目2-30となったが、現在は一般住宅である。隣に大杉会館があるが、公共施設となっている。
円福寺へのアクセス
都営新宿線 一之江駅から徒歩16分 (1.3km)